1話 4つの選択肢
胡桃はモニター画面を凝視している。彼の目にはある1点が気になったようだ。
「転生前ボーナスは何でもいいのか?」
ヒューメルは胡桃の顔を覗き込み、
「ええ、問題ないわ。転生することに決めましたのね」
ヒューメルが話を勝手に進めていってしまい胡桃は困惑する。
そうするとまた呪文らしきものを唱え始める。
「さぁ!あなたの望みをいってみなさい」
「ちょっと!まだ心の準備ができていないんですが」
ヒューメルはもう転生の準備に取りかかってしまっていた。
「そうなのね。それは失礼したわ。てっきり転生することに決めたものだと思ってましたわ」
「ふぅ良かった」
胡桃は肩を下ろして安堵する。
「安心しているところ悪いんだけど、この呪文は1度使ったら取り消すことはできないの。ごめんね」
緋色の髪を揺らして、ごめんなさいのポーズを取ってみせる。胡桃は深い溜め息をついたが仕方がないと決心せざる終えなかった。
「じゃあ、俺を王様にしてほしいんだができるのか?」
「はい。お安い御用ですよ。転生なので王様の子供としてあなたは生まれ変わります!」
胡桃のしたには魔法陣ができて、胡桃のからだを眩い光が包み込む。
「いったいどこにつれてかれるんだ!?」
胡桃が不安になるのも仕方がない。なんせどこに行くか聞かせれていないのだから。
「クリムゾン王国の王子としてあなたは生まれ変わります。それでは行ってらっしゃい!」
「えっちょおま待って」
彼の言葉は彼女の元へはもう届かなかった。




