分断の扉と時間の墓場
お前には俺に続く被害者になって欲しくない!
現実を踏み外すな!
Help!Help!...Hell!Hell!...Hell!!
おい!お前!そう。お前だよ。
この小説を読んでるだろ?
俺はもうすぐ死ぬ。それは分かっている。
まだ死んでいない。
だが、わけのわからないところにいる。
お前には俺に続く被害者になって欲しくない!
すぐにこの小説を読むのをやめろ!
今なら間に合う!
もしも読むのをやめないというのなら、このルールだけは守れ。
これを読んでる最中は、絶対に後ろを振り向くな。
どこかで音が鳴っても気を取られるな。
何かが落ちても拾いに行くな。
あとこの小説にお前が出てきても、それはお前じゃない!
お前なのはお前だけだ!
これはホラー小説などではない。
2つの現実の間の中継の扉だ!
何を言っているか理解はできないだろうが、気をつけて欲しい。
お前はその扉を開けるな!
準備はいいか?ドアが開く。
足を踏み外すな。現実に置いて行かれる。
非現実に食われるな。現実に留まれ。
雨と雪が降っていた。
雷が鳴り響く。
重くて軽い。
暑くて寒い。
うるさくて静寂。
まぶしく暗い。
矛盾した感覚の中で、独り立っていた。
何かがたくさん落ちていた。
「何か」の死体置き場のようだ。
しばらく歩いて探索すると、木のような何かに文字が彫られていた。
「死んだ時間の墓場」
時間に形は無いと思っていた。
ここでは時間の感覚が無い。
いや、時間の概念が無い。
時間が全て死んでいるからだ。
地面に文字が書かれていった。
何かが指でなぞっているかのように。
「無駄遣いによって殺された。時間に果ては無いと思われている。生物は時間に生かされている。無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無無...」
「有限の中で自由が生まれる。無限の中に、有限は無い。0は何にも囚われない。生まれてなければ終りは無い」
「非現実など存在しない。もう一つの現実は、もう一つの現実だ。」
目の前に窓のような物が出来た。色は分からない。
赤のようで青い。青のようで黄色い。黄色のようで緑。緑のようで白い。白のようで黒い。黒のようで
赤い。
俺はそれに入った。




