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いちくまと愉快すぎる漂流記 第2くま

今回かなり短いです。

話の世界観は今の人間の生活を愉快すぎる仲間たちに置き換えた感じだと思ってください。

いちくまと愉快すぎる漂流記 2



「ご飯できたわよ〜」

という鶴の一声ならぬ、しまこの一声でみんなが食卓に揃った。

「おー!すげーじゃん!これどうやってつくったんだよ?」

「えっと、火はついたからそれで魚焼いて、あと、この家に置いてあった包丁でりんご切っただけよ。」

と、わんたの質問に自慢げにしまこが答えた。だが当の本人であるわんたは話を半分聞かずに既に魚を食べていた。

「他にも色々食いてぇよなぁ…」

「あ、そうそう!さっき、しまことみけこが料理してる間に私は台所の掃除してたんだけどね、」

「あんたに料理させると何が出来るかわかんないのよ。」

「この間なんて、ホットケーキ作ろうとして鮎の塩焼き作ってたよね〜」

「ね〜。何が違ったのかなぁ?」

「「材料」」

「で、何が見つかったんだよ」

うさみんにツッコミを入れる2人をよそに、とらが聞いた。

「あ、そうそう。これ〜」

と、言ってうさみんが取り出したのは野菜の種だった。

「これを育てれば野菜も食べれるよ〜」

と言っても野菜の育て方なんて誰も分からないはず。するとパンダが

「グーグル先生に聞いてみたら?」

「ネットにつながんねーし」

「牛乳に相談だ!」

「牛乳ねーし!ってゆうか何でそうなるんだよ!?」

「私、牛乳に相談したら背伸びたよー」

「んなこと今どーでもいいよ。ってゆうか家農家のやついんの?」

「私達の実家は農家だけど…」

「実家!?まぁいいや。何で言わねーんだよ。」

「え、でもねぇ…」

と、しまことくろちょびが顔を見合わせる。

「?何なんだよ。」

「農家って言っても、うち夕張メロンだから。」

「まじかよ⁉︎てか実家北海道なんだ…」

ものすごい勢いでツッコミしたせいか、さすがのいちくまも息が若干あがっていた。

「まぁ、とりあえずアサガオみたいな感じで植えてみよ〜よ。植物なんてだいたいそんなもんで育つは育つっしょ。」

とらはやる気なさそうに提案する。

すると、みけこが何か思いついたように話し出した。

「じゃあさ、部屋ごとに当番決めよ!」

「内容どうすんの?」

「んー、例えば、家事全般と畑と食料調達の3つとかは?」

「いんじゃね?とりあえず明日はどうするの?」

「じゃあ女子チームは今日家事やったから明日は食料調達にするわ。」

そして残る男子も決まり、次の日は

家事→いちくま&パンダ

畑→とら&わんた&くろちょび

食料→女子チーム

となった。

「そういえば、時計が動いてるの少ないんだけどどうする?」

と、うさみんが聞いた。この家のほとんどの時計が止まっており、電池が切れている状態だった。

「あー、俺らの部屋は、俺がスマホとその充電器持ってるから大丈夫〜」

と言いながらいちくまは自分のスマホを出す。i phone 4sくらいの機種で、誕生日に弟からもらったという緑のケースがつけてあった。

「な、なぜ濡れてない…⁉︎」

「俺いつも耐水のケースに入れてんだよ。」

「他の人は〜?」

そういうと、しまことくろちょびがお揃いのスマホを取り出した。いちくまのよりも少しいい機種だ。

「でも私、充電器無いのよ。」

「それなら僕のやつ代わりばんこで使お!ちゃんとしたのはお家だけど、百均で買ったやつならあるよ〜」

「本当に⁉︎たまには気がきくのね〜」

「えへへ〜」

あまり褒められていないが、なぜかくろちょびは嬉しそうだった。

「と、とりあえずもう寝るか…。洗いもんはどうすればいい?」

「ん?あー、うちらが片付けておくからもう寝ていいわよー」

「ハイハイ。」

こうして、無人島生活とは思えない1日目が終わりを告げた。


〜2日目!〜


「よっこらパンダ」

謎の掛け声とともに、パンダが起きた。

同じ部屋のはずのいちくまの姿が見えない。部屋をよく見ると、いちくまのベットはもう毛布やシーツは畳まれていた。おそらくもう起きたのだろう。

いちくまがいるであろうキッチンへ行くと、案の定いちくまは1人で料理をしていた。

「おはよう、いっきゅん☆」

「おはよう…ってかそのあだ名まだあったんだ…」

パンダがいちくまの手元を見ると、フライパンの中で魚が美味しそうに焼けていた。

「ん?あ、これ?昨日の夜ご飯の時みんな魚の骨とったりすんのに手間取ってたろ?だから小さくしてから炒めてみたんだよ。」

「なるほどー。あ、リンゴがうさみんだ。」

「いや、うさみんじゃなくてウサギな。昨日の残りのリンゴが冷蔵庫に入ってたからウサギにしてみたんだ。」

「いいね〜。あ、なんか手伝うことある?」

「ん〜。そうだ!パンダ来てみ!」

「何〜?」

向かった先のキッチンの端に炊飯器が置いてあった。

「お米⁉︎」

「そうそう。キッチン捜索してたら新品で箱から出してすらないやつがあってさ、もしかしてと思ってもう少し探してみたら米もあったんだよ〜」

「さすがいちくま!」

「へへ。サンキュ。えっと、この皿にご飯を入れてテーブルに持ってってくれよ。」

「おっけー!」

さっきまで半分寝ていたようなパンダもお米を見た瞬間やる気が出てきてテキパキとご飯をよそい始めた。

ご飯をよそうお茶碗はたくさんの色があったので、パンダがみんなのカラーを決めてよそっていつた。


しばらくして他のみんなも起きてきた。

「なんかいい匂いする〜」

「お米だ〜」

「みんな昨日と同じ席に座ってね〜」

そしてみんなが席に着いたのを確認すると

「いただきまーす!」

と、朝ごはんが始まった。

「魚、食べやすいわね。」

「だろ?俺なりの工夫だよ。」

「お茶碗可愛い〜」

「みんなのカラーを決めてみたんだよ〜」

パンダの説明によると、

いちくまが緑、パンダが黒、しまこが紫、わんたが黄色、くろちょびが青、とらがオレンジ、みけこが赤、うさみんがピンク

らしい。

みんなが一通り食べ終わると、いちくまが話し出した。

「えっと…俺から質問ってゆうか疑問みたいなのがあるんだけどいいか?」

「…何よ。」

「1つ目。みんなはどうしてここに来た?」

いつものメンバーが揃っていたけれど、これは偶然。みんな来た理由は違うはずだった。

「そういういちくまはなんなのよ。」

と、しまこが言った。

「俺はなんか、にくまがいきなり『海の家始めたい』って言って始めたんだよ。それで夕方になったから迎えに言ったら波に足を取られて流されたんだよ。」

「ふーん。ちなみに私は仕事で海辺の撮影があって、終わっても少し海で遊んでたら流れてた。」

「流れてんの気づかなかったのかよ。」

他の人も順に話すことになった。

次はくろちょびで、

「僕はみんなより普通かも〜。海で遊んでてたらなんか珍しそうな魚がいたから取ろうと思って泳いでたら流されちゃった。」

その次はとら、

「女の子たちと遊びに来てたから、かっこいいとこ見せたくなっちゃったから太平洋を泳いで横断しようとしただけ〜」

「考えがぶっ飛びすぎだろ…」

次はうさみんが

「私とみけこは2人で遊んでたの。で、なんか魚食べたくなったから取りに行こうと海に飛び込んだらここにいた。」

「魚くらい買えよ!!命かけんなよ!」

最後はわんた。

「トイレに流された。」

「そんなこったろうと思ったよ。」

ほとんどの理由にツッコミを入れたいちくまは既に朝から疲れてしまったが次の質問をみんなに投げかけた。


「ここに前住んでた奴ってどこに行ったと思う?」


end

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