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第二部 第169話 終わる崩壊
静かだった。
白い世界。
さっきまで裂けていた空間は止まり。
崩壊も。
狂っていた距離も。
一度。
静まっていた。
笑うものが固まる。
『……え?』
短い。
『終わった?』
士郎は答えない。
目だけが。
割れた白の奥を見る。
そこに。
“原因”。
崩壊そのもののような巨大な白。
士郎の拳で半ば砕かれながらも。
まだ。
微かに脈打っていた。
士郎が鼻を鳴らす。
低く。
「しぶてぇな」
翔の煙が細く揺れる。
右手。
僅かに上がる。
沈黙。
次の瞬間。
——死ぬ。
脈が止まる。
気配が消える。
白い世界が。
少しだけ。
静まる。
笑うものが眉を寄せた。
『あれ?』
短い。
『死んだのに残ってる』
セレナの目が細い。
静かな声。
「生命は終わっています」
少し間。
白を見る。
「ですが」
短い。
「構造だけが残っています」
少し間。
「外界の傷です」
士郎が少し笑う。
目が細い。
低く。
「つまり」
少し間。
重力が。
白い世界を沈ませる。
「壊せば終わりか」
セレナが短く頷く。
「ええ」
少し間。
「ですが」
短い。
「加減してください」
士郎が鼻を鳴らす。
低く。
「無理だな」
轟音。
踏み込む。
重力。
深く。
落ちる。
白い空間。
沈む。
“傷”へ。
拳。
一直線。
次の瞬間。
——世界そのものが。
大きく割れた。




