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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』第四章『セレナ編』
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第二部 第155話 壊れる観測


白い空間が裂ける。


深く。


大きく。


歪む。


巨大な“目”。


一つ。


砕けた。


泣いていたような。


笑っていたような。


歪な影。


消える。


静寂。


次の瞬間。


空間が震えた。


怒り。


違う。


悪意。


深い闇。


そこから。


“目”が増える。


二つ。


五つ。


十。


見ている。


全部。


士郎を。


笑う者が。


初めて後退る。


『嫌だね』


少し間。


『怒らせた』


士郎が鼻を鳴らす。


低く。


「知るか」


短い。


拳を握る。


「鬱陶しい」


セレナの声。


静か。


だが少し速い。


「士郎」


短い。


「侵蝕が加速します」


士郎は止まらない。


黒い靄。


濃くなる。


空間が軋む。


欠ける。


だが。


士郎の周囲だけ。


逆に。


“壊れている”。


侵蝕。


観測。


違う。


全部。


踏み潰されていく。


低く。


「見てんだろ」


一歩。


踏む。


轟音。


空間ごと。


砕ける。


巨大な“目”。


二つ。


まとめて割れる。


悲鳴もない。


ただ。


死ぬ。


白い空間が震えた。


笑う者が固まる。


『えぇ……』


小さい声。


『何その戦い方』


士郎が低く息を吐く。


短い。


「知らねぇ」


もう一歩。


踏む。


“欠ける”。


士郎の肩。


胸。


空間ごと消える。


だが。


次の瞬間。


黒い靄が噴く。


消えた場所ごと。


踏み砕く。


轟音。


“目”が。


今度は三つ。


潰れる。


沈黙。


セレナの目が止まる。


小さい声。


「侵蝕を……壊してる?」


翔の煙が細く揺れる。


静かな声。


「らしいな」


短い。


“目”を見る。


「雑だが」


士郎が鼻を鳴らす。


目が細い。


低く。


「小細工が多い」


少し間。


拳を鳴らす。


「まとめて来い」


深い闇。


——動く。


今度は。


巨大だった。


空間そのものが。


“開いた”。

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