表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』第四章『セレナ編』
377/464

第二部 第152話 気づいたもの


白い空間が軋む。


崩れる。


欠ける。


静かな世界。


少しずつ。


落ちていく。


巨大な目。


歪んだ影。


笑っているような。


泣いているような。


定まらない。


それでも。


“観ていた”。


士郎が踏み込む。


止まらない。


低く。


「鬱陶しい」


拳。


轟音。


——消える。


右腕。


肩。


胸。


存在ごと。


抜け落ちる。


それでも。


止まらない。


舌打ち。


「チッ」


短い。


「届かねぇ」


セレナの声。


少し強い。


「士郎!」


短い。


「離れて!」


笑う者が。


初めて本気で焦る。


『ダメだって!!』


少し間。


『近付くほど欠ける!!』


士郎が鼻を鳴らす。


低く。


「知るか」


短い。


もう一歩。


踏む。


その瞬間。


首から下。


消える。


沈黙。


次の瞬間。


戻る。


士郎が低く息を吐く。


「……胸糞悪ぃ」


翔は動かない。


煙だけが細く揺れる。


見ている。


違う。


殺し屋の目。


相手。


距離。


動き。


欠ける場所。


消える順番。


違和感。


右手を見る。


届いていない。


そのはず。


なのに。


違う。


“繋がっている”。


少し間。


巨大な目。


歪んだ影。


違う。


“そこ”じゃない。


もっと深い。


もっと奥。


観ているもの。


意識。


気配。


一本。


静かな声。


「これか……?」


少し間。


「師匠の言ってた……」


止まる。


違う。


届いていない。


なのに。


“繋がる”。


深い闇。


巨大な目。


歪んだ影。


その奥。


意識。


存在。


全部。


一本になる。


翔の指先が。


僅かに動く。


沈黙。


次の瞬間。


——消えた。


巨大な目。


歪んだ影。


気配。


意識。


全部。


死ぬ。


白い空間が止まる。


侵蝕。


欠け。


全部。


消える。


静寂。


沈黙。


士郎の身体が戻る。


拳を握る。


低く。


「……終わりか?」


翔の煙が細く揺れる。


短く。


「多分」


笑う者が。


完全に固まる。


セレナの目が。


初めて。


大きく開く。


小さい声。


「……嘘」


白い空間だけが。


静かだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ