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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第二章 『王の死んだ世界編』
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第二部 第73話 終わり


「王様ごっこ終わりだ」



重力が落ちた。



違う。



“潰れた”。



領主の身体が。


地面へ沈む。



絶叫。



骨。


砕ける音。



宝石。


豪華な服。



泥に埋もれる。



威厳。


権威。


全部。


壊れた。



「ぎ、ぎゃぁぁぁぁ!!」



涙。


鼻水。


血。


泥。



醜い。


ただ。


醜い。



「ま、待て!!」



「助けてくれ!!」



「余は変わる!!」



「王になる男だ!!」



「民を助ける!!」



「だから——」



士郎が止まる。



静かな目。



笑わない。



冷たい。


ただ。


冷たい。



「長ぇ」


静かな声。



翔が煙を吐く。



少し間。



「飯冷める」



笑う者が、数秒止まる。



『シリアス殺すな!?』



『でも確かに長ぇ!!』



士郎が少し吹き出した。



そして。


領主を見る。



静かな声。



「お前さ」



少し間。



老人。


子供。


痩せた民。



全部を見る。



冷たい目。



「死にそうになってからしか」



少し間。



「民見ねぇ時点で終わってんだよ」



領主の呼吸が止まる。



士郎が。


ゆっくり手を上げた。



重力。



沈む。



空気が軋む。



領主が絶望の目を向けた。



「い、嫌だ……」



震える声。



「死にたくな——」



途切れた。



それで終わりだった。



風が吹く。



誰も喋らない。



老人が。



子供が。



民達が。



呆然と見ていた。



終わった。



本当に。


終わった。



翔が煙草を指で弾く。



灰が落ちる。



静かな声。



「飯」



少し間。



「まだあるか」



笑う者が頭を抱えた。



『余韻!!』



『余韻どこ行った!?』



士郎が少し笑う。



「だな」


静かな声。



「腹減った」

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