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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第二章 『王の死んだ世界編』
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第二部 第67話 王と呼べないもの

鐘が。


鳴り続けていた。


重い。


警戒音。



城壁の上。


兵達が騒ぐ。


怒号。


槍。


魔導砲。


全部。


街道へ向けられていた。



士郎達へ。



老人が震える。


店の客達も。


民も。


青ざめていた。



「に、逃げてくれ……!」


震えた声。


「あれは……!」


「逆らっちゃいけない……!」



笑う者が、深くため息を吐く。


『もう遅い』


『この二人に逃げろは通じない』



翔が、煙を吐く。


静かな目。


城を見る。


「弱そうだな」


静かな声。



笑う者が、即座に突っ込む。


『まだ会ってねぇ!!』



士郎が、少し笑った。


「会えば分かる」


静かな声。



少し間。


獰猛に。


「王の格ってのは」



その時。


遠くで。


重々しい音が響いた。



城門が。


開いた。



巨大な鉄門。


ゆっくりと。


左右へ割れる。



その向こう。


騎兵。


黒鎧。


百。


二百。


整列。



そして。


中央。


巨大な馬車。



金。


装飾。


豪華。


無駄に。


豪華。



翔が、少し眉を寄せた。


「趣味悪いな」


静かな声。



笑う者が頷く。


『分かる』


『絶対強欲タイプ』



馬車が止まる。



ゆっくり。


扉が開いた。



男が出てくる。


肥えた身体。


宝石。


豪華な服。


脂ぎった笑み。



民を見る目。


家畜。


それだった。



男が、鼻で笑う。


「貴様らか」


静かな声。


「我が兵へ手を出した愚か者は」



士郎が。


止まる。



静かな目。


笑わない。



老人。


痩せた民。


子供。



そして。


男を見る。



沈黙。



少し間。



士郎が。


小さく笑った。



違う。


冷えている。



怖い。


ただ。


怖い。



「お前」


静かな声。



少し間。



冷たく。


「王と呼べるもんじゃねぇな」



空気が。


止まった。

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