表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
279/464

第二部 第54話 秩序

静寂。



「決まってんだろ」



士郎の声だけが、夜へ沈んだ。



空。



巨大術式。



黒い輪。



幾重にも。



街を覆う。



逃げ惑う人々。



悲鳴。



恐怖。



全部。



上から潰そうとしていた。



中央の男が、静かな目で見下ろす。



迷いはない。



冷たい。



ただ。



処理。



「秩序破壊因子排除開始」


静かな声。



空が。



落ちる。



違う。



“処刑”だった。



黒い輪が、ゆっくり回転する。



重圧。



熱。



崩壊。



街そのものが、震えていた。



煙草屋の店主が、青ざめる。



「お、おい……!」



「街が……!」



支配者の男も、顔色を失っていた。



「狂ってやがる……」



笑う者が、本気で顔を覆う。



『だから言った!!』



『最悪のタイプだって!!』



『秩序のためなら街ごと消す!!』



翔が、煙を吐く。



静かな目。



空を見る。



少し間。



そして。



静かな声。



「面倒だな」



士郎が、少し笑う。



獰猛に。



「だな」



一歩。



前へ出る。



重力が、沈む。



街が軋む。



中央の男が、初めて目を細めた。



「抵抗か」


静かな声。



「無意味だ」



「秩序維持を優先する」



士郎が、鼻で笑った。



「秩序?」


静かな声。



笑う。



深く。



危ないほど。



楽しそうに。



「気に入らねぇな」



重力が。



落ちた。



轟音。



空気が砕ける。



巨大術式が、初めて揺れた。



黒い輪に。



亀裂。



住民達が、止まる。



空を見る。



中央の男の表情が、初めて変わった。



「……何?」



士郎が、静かな目で見上げる。



冷たい。



なのに。



笑っている。



怖い。



ただ。



怖い。



「王ってのはな」


静かな声。



少し間。



そして。



空を見ながら。



笑った。



「世界の都合で」



「民を捨てねぇんだよ」



静寂。



重力が。



もう一度。



落ちた。



轟音。



空が。



軋む。



巨大術式全体へ。



無数の亀裂が走った。



中央の男が。



初めて。



本当に初めて。



驚愕した。



「……術式が」



「壊されている?」



静寂。



士郎が。



獰猛に笑う。



「当たり前だろ」


静かな声。



「街ごと消そうとしてんだ」



「壊される覚悟くらいしとけ」



その瞬間。



空を覆う黒い輪が。



初めて。



大きく砕け始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ