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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第26話 降参

静寂。



『待って待って待って』



『謝る』



『ほんと謝る』



『だから二発目だけはやめよう?』



笑う者の声が、 少し裏返っていた。



観測者達が、 完全に沈黙する。



理解不能。



あり得ない。



界吏を超える存在。



観測外。



理解不能。



それが。



命乞いしている。



西園寺士郎に。



士郎は止まらない。



一歩。



また一歩。



黒い重力が、 空間を沈める。



暗黒が軋む。



観測領域が、 悲鳴を上げていた。



笑う者の輪郭が、 明確に揺れる。



『いやいやいや』



『それ本気じゃん』



『目がヤバいって』


静かな声。



士郎が、 少しだけ首を傾げる。



「今さらか?」


静かな声。



笑う者が、 一歩下がる。



初めて。



本当に。



明確に。



怯えていた。



『……なんでそんな』



『初対面で殺意高いの?』



士郎は笑った。



獰猛に。



「うるせぇから」


静かな声。



翔が、 小さく吹き出す。



「妥当だな」


静かな声。



笑う者が、 初めて本気で翔を見る。



『止めろよ!!』



『相棒だろ!?』



翔は肩を竦める。



「無理だろ」


静かな声。



「お前、 うるせぇし」



観測者達が、 ざわめく。



『撤退推奨』



『災害指定危険度上昇』



『空間維持不能』



『観測中止』



士郎が、 ゆっくり拳を握った。



重力が沈む。



空間が軋む。



笑う者が、 一瞬で青ざめた。



『待って』



『ほんと待って』



『一回話そう?』



『君ら絶対、 今後困るから』


静寂。



士郎が、 少し止まる。



笑う者の目に、 初めて希望が宿った。



『あ』



『止まった』



『よし、 話の通じるタイプ——』


轟音。



重力。



暗黒そのものが、 沈んだ。



笑う者が、 悲鳴を上げる。



『ぎゃあああああ!?』



何層もの空間を、 転がり落ちる。



士郎が、 鼻で笑った。



「一発だけだ」


静かな声。



翔が、 少しだけ笑う。



「優しいな」


静寂。



そして。



ボロボロになった笑う者が。



本気で。



二人を見て思った。



『……なんだこいつら』



『マジで怪物じゃん』

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