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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第17話 界吏

暗黒。



静寂。



『来い』



『今度こそ、 消してやる』



その言葉だけが、 暗黒へ沈んでいく。



士郎が、 心底楽しそうに笑った。



「最高じゃねぇか」



翔は答えない。



静かな目。



ただ。



界吏を見ていた。



逃げない。



隠れない。



真正面。



初めて。



哀沢翔へ、 明確な殺意を向けている。



観測者達が、 一斉に頭を垂れる。



『規格外処理開始』



『界吏戦闘権限解放』



『霧流拳警戒』


静寂。



士郎が、 少し笑う。



「タイマンのお誘いか?」



翔は肩を竦めた。



「処刑する気だろ」


静かな声。



煙草の火が、 小さく揺れる。



そして。



赤が落ちた。



暗黒へ。



つまり。



“やる”。


静寂。



翔が、 一歩踏み出す。



界吏は動かない。



静かな目。



ただ。



翔だけを見ている。



『来い』



『届くなら』


静かな声。



次の瞬間。



翔が消えた。


静寂。



気配ゼロ。



存在感ゼロ。



観測者達が、 一斉に揺れる。



『消失』



『観測不能』



『霧流掌警戒』


静寂。



界吏は動かない。



逃げない。



静かな声。



『届かない』



次の瞬間。



翔の掌が、 空を切った。


静寂。



そこにいる。



なのに。



そこにいない。



存在座標。



因果層。



観測位置。



全部。



ズレている。



翔が、 少しだけ笑った。



「なるほど」


静かな声。



「逃げるんじゃなく」



「届かなくしてんのか」



士郎が、 腹を抱えて笑う。



「ハハッ!!」



「やっと面白くなってきたな!!」



界吏の目が、 初めて僅かに細まる。



『理解』


静かな声。



『流石に早い』



『故に規格外』


静寂。



次の瞬間。



空間が止まった。


静寂。



違う。



“翔だけ”が止められている。



存在固定。



因果拘束。



観測封鎖。



全部。



霧流拳だけを殺すための術式。



観測者達が震える。



『界吏術式展開』



『規格外拘束開始』


静寂。



翔は、 静かに笑った。



冷たく。



「甘ぇな」


静かな声。



次の瞬間。



拘束術式の外。



界吏の真横に。



翔が立っていた。


静寂。



界吏の目が、 初めて揺れる。



翔は、 静かな目で見た。



「もう少しだ」


静かな声。



「届く」

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