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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第二部『魔王と死神』 第一章 『外界侵入編』
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第二部 第6話 深層

暗黒。



静寂。



観測者達は、 動けなくなっていた。



理解できない。



西園寺士郎。



世界法則を踏み潰す怪物。



そして。



哀沢翔。



認識すらできない死。



その二人を前に。



外界側ですら、 初めて“警戒”を覚えていた。



その時。



暗黒の奥で。



“深層観測者”が、 ゆっくり姿を現す。


静寂。



今までとは違う。



巨大ですらない。



むしろ小さい。



人型。



白い外套。



それなのに。



存在感だけが異常だった。



そいつが立っているだけで。



暗黒そのものが、 沈んでいる。



士郎が笑う。



「今度は人型か」



深層観測者は、 感情のない目で二人を見る。



『異常個体確認』



『排除難度修正』



『危険度——』



その瞬間。



翔が、 ゆっくり煙草を咥えた。


静寂。



カチッ。



火が点く。



その瞬間。



空気が変わった。



黒い霧。



気配が沈む。



観測者達が揺れる。



『危険』



『危険』



『認識阻害開始』



深層観測者だけは、 静かに翔を見ていた。



『……なるほど』



初めて。



感情みたいなものが混ざる。



『貴様か』


静寂。



翔は煙を吐いた。



「なんだ」



「俺のこと知ってんのか?」



深層観測者は答えない。



次の瞬間。



翔の背後空間が、 無音で崩壊した。



因果切断。



存在抹消。



観測者側の“暗殺”。



だが――



翔は、 既にそこにいなかった。



黒い霧。



気配消失。



深層観測者の視界から、 翔だけが消えている。



『観測不能』



『追跡失敗』



その瞬間。



士郎が吹き出した。



「ハハッ」



「お前、 嫌われてんなぁ」



翔の声だけが響く。



「殺し屋だからな」


静かな声。



その時。



翔が、 深層観測者の真横へ現れる。



煙草の火だけが、 暗黒で赤く光っていた。



「逃げんなよ」


静かな声。



深層観測者が反応する。



遅い。



翔の掌が、 軽く触れた。



本当に。



撫でるみたいに。


静寂。



何も起きない。



――そう見えた。



次の瞬間。



深層観測者が崩壊した。



身体も。



概念も。



存在情報すら。



霧のように消えていく。



観測者達が揺れる。



『深層観測者消失』



『接触一回』



『防御突破確認不能』



『理解不能』



翔は、 静かに煙を吐く。



「だから脆ぇって」



士郎は、 心底楽しそうに笑った。



「見えなかったぞ」



翔は肩を竦める。



「見せてねぇからな」



その瞬間。



暗黒のさらに奥で。



今までとは比較にならない“何か”が。



ゆっくり、 目を開いた。

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