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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第十一章 『魔王編』
221/464

第221話 再会

玉座。



静寂。



世界は跪いていた。



人類。



魔族。



竜族。



全てが、 西園寺士郎を王として受け入れている。



逆らう者はいない。



戦争もない。



神も死んだ。



完全支配。



それなのに。



玉座に座る士郎は、 どこまでも退屈そうだった。



頬杖。



黒い瞳。



虚ろな視線。



世界すら、 もう刺激にならない。



その時。



玉座の間の扉が、 ゆっくり開く。



誰も通すはずがない。



だが。



兵士達の声も聞こえない。



静かだった。



足音。



ゆっくり。



気怠そうに。



そして。



男が現れる。



黒いコート。



鋭い目。



口元には、 不敵な笑み。



士郎の黒い瞳が、 初めて大きく揺れた。


静寂。



男は、 玉座を見上げる。



そして。



呆れたように笑った。



「随分デカくなったな」


静かな声。



「お前」



玉座の間の空気が止まる。



誰だ。



何故。



魔王を前に、 平然としていられる。



アルシアが息を呑む。



セレナが目を細める。



エレノアですら、 僅かに表情を変えた。



だが。



士郎だけは。



数秒、 黙っていた。



そして。



ゆっくり立ち上がる。



黒い重力が揺れる。



世界そのものが、 震える。



それでも。



士郎は笑っていた。



今までで初めて。



心の底から。



獰猛に。



楽しそうに。



「……おせぇよ」


静かな声。



男は肩を竦める。



「悪ぃ悪ぃ」



「死ぬのに時間かかった」



哀沢翔。



西園寺士郎が。



唯一。



“対等”と認めた男。



翔は、 世界を支配した魔王を見ても。



何一つ変わらない。



怖がりもしない。



跪きもしない。



ただ。



昔みたいに笑う。



「で?」



「退屈してんだろ?」


静寂。



その瞬間。



士郎の黒い瞳から。



初めて。



空虚が消えた。



獰猛な笑み。



圧倒的重力。



そして。



久しぶりに。



西園寺士郎は、 心の底から笑った。



「……あぁ」



「やっと、 面白くなってきた」

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