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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第十章 『神殺し編』
205/464

第205話 怪物

天上。



静寂。



最奥神ゼルヴァの胸を。



西園寺士郎の腕が、 貫いていた。



白い神威が漏れ出す。



天上そのものが、 崩壊音を上げていた。



神々は動けない。



誰も。



理解できなかった。



神々の頂点。



絶対者。



その存在が。



“暴力だけ”で、 ねじ伏せられている。



士郎は笑った。



黒い瞳。



そこには。


勝利の喜びすらない。



ただ。


壊すことを楽しむ、 怪物だけがいた。



「どうした」


静かな声。



「神様ってのは、 もっと強ぇんじゃなかったのか?」



ゼルヴァは、 静かに士郎を見る。



白い存在。



その身体には、 巨大な亀裂が走っていた。



それでも。


消えない。



崩れながらも。



なお立っている。



『……なるほど』


静かな声。



『お前は、 原初とは違う』



士郎は鼻で笑う。



「当たり前だろ」


黒い瞳。



「俺を、 あんな雑魚と一緒にすんな」


静寂。



その瞬間。


神々が凍りついた。



原初。



世界の終わり。



神々が最も恐れた存在。



その存在すら。



士郎は、 完全に見下していた。



その時。


頭の奥。



原初の声は、 もう聞こえない。



完全沈黙。



蹂躙された。



支配された。



西園寺士郎という、 更なる怪物に。



その瞬間。


轟音。



黒い重力が、 ゼルヴァを内側から破壊する。



白い神威障壁。



完全崩壊。



ゼルヴァの身体が、 大きく砕け始めた。



神々が絶叫する。


『ゼルヴァ様ァァァ!!』



『天上維持不能!!』



『崩壊する!!』



その時。


地上。



空が砕けていた。



黒く染まる世界。



崩壊する天。



人々は震えていた。



ただ。


誰も目を逸らせない。



本能が理解している。



今。



世界の頂点が、 生まれようとしている。



その頃。


崩れた鐘楼。



セレナが、 静かに空を見上げていた。



紫の瞳。



恐怖はない。



ただ。


納得だけがあった。



「……やっぱり」


静かな声。



「あなたは、 そういう男なのね」



神も。


原初も。



全部踏み潰して。



それでも、 止まらない怪物。



セレナは小さく笑う。



「ほんと、 最低」



だが。


その目は、 少しだけ嬉しそうだった。

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