第204話 神殺しの果て
天上。
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黒。
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神々の世界は、 既に半分以上侵食されていた。
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白い空間。
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白い法則。
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白い神威。
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その全てを。
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西園寺士郎の重力が、 力ずくで踏み潰している。
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神々は声も出せない。
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逃げることも。
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祈ることも。
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ただ。
理解していた。
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終わる。
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神の時代が。
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その中心。
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最奥神ゼルヴァ。
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白い存在。
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その神威が、 今もなお天上を支えている。
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だが。
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士郎は笑った。
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黒い瞳。
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そこには。
神への畏怖など、 最初から存在しない。
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「まだ立てんのか」
静かな声。
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「いいぜ」
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「簡単に壊れたら、 つまんねぇ」
轟音。
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次の瞬間。
士郎が踏み込む。
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黒い重力が、 ゼルヴァへ叩き込まれた。
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白と黒。
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真正面から激突する。
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空間崩壊。
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世界法則粉砕。
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天上が、 完全に悲鳴を上げた。
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ゼルヴァの神威障壁が、 音を立てて砕けていく。
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神々が絶叫する。
『防げない!!』
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『ゼルヴァ様が——』
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その瞬間。
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轟音。
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士郎の拳が、 ゼルヴァを貫いた。
静寂。
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白い世界が止まる。
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最奥神ゼルヴァ。
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その胸部を。
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士郎の腕が、 完全に貫通していた。
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神々が凍りつく。
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あり得ない。
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神々の頂点。
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絶対者。
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その存在が。
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“暴力だけ”で、 突破された。
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ゼルヴァが、 静かに士郎を見る。
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白い存在。
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そして。
初めて。
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ほんの僅かに。
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笑った。
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『……そうか』
静かな声。
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『お前こそが、 世界の終わりか』
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士郎は鼻で笑う。
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「今さら理解したのか?」
黒い瞳。
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「遅ぇよ」
轟音。
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次の瞬間。
黒い重力が、 ゼルヴァの神威を内側から破壊する。
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白い身体に、 巨大な亀裂が走った。
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神々が絶叫する。
『ゼルヴァ様ァァァ!!』
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その頃。
地上。
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空が割れていた。
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白。
◇
そして。
黒。
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二つの世界が、 崩壊しながら混ざり始めている。
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リゼが空を見上げる。
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震えながら。
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それでも目を逸らさない。
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エレノアは、 静かに呟いた。
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「……神が、 殺される」




