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最強の殺し屋、異世界で魔王になる  作者: 竜堂さくら
第十章 『神殺し編』
184/464

第184話 天上

白。



どこまでも続く、 無限の白。



空も。


大地も。


境界すら曖昧。



世界そのものが、 人間界と違っていた。



そこへ。


黒。



西園寺士郎が立っていた。



黒い重力。


黒い紋様。



白い世界の中で、 あまりにも異質。



その瞬間。


天上全域へ、 巨大な警報が鳴り響く。



『原初侵入確認』



『最上位危険存在』



『天上防衛機構、 全領域戦闘態勢へ移行』


轟音。



次の瞬間。


空が開く。



無数の巨大な“眼”。



神々。



全部が、 士郎を見ていた。



兵士も。


王も。


英雄もいない。



ここには。


“神”しかいない。



その時。


士郎は小さく笑った。



「へぇ」


静かな声。



「随分、 偉そうなのが多いな」


轟音。



次の瞬間。


神威爆発。



天上そのものが、 士郎を押し潰そうとする。



世界法則。


神格圧力。



存在拒絶。



普通の人間なら、 立った瞬間に消滅する。



それでも。


士郎は動かない。



黒い重力が、 神威を押し返していた。



その時。


巨大な“眼”の一つが開く。



『原初』


世界へ響く声。



『なぜ再び現れた』



『なぜ器へ宿った』



『なぜ自我を残している』



士郎は舌打ちした。



「だから」


黒い瞳。



「知らねぇって言ってんだろ」



頭の奥で、 原初の声が笑う。



『いい』



『全部壊せ』



その瞬間。


天上の奥。



巨大な扉が開く。


轟音。



白銀の階段。


光輪。


無数の神代文字。



そして。


そこから。


“人型の神々”が現れた。



十二翼。


黄金の冠。


白い法衣。



どれも。


アズラエルより遥かに強い。



神格が違う。



その中心。



最も巨大な神が、 士郎を見下ろしていた。



顔はない。



ただ。


巨大な光だけが存在している。



『原初』


静かな声。



だが。


今までの神々より、 遥かに重い。



『お前は、 再び世界を壊す気か』


静寂。



その瞬間。


士郎の黒い瞳が、 わずかに揺れた。

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