表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一頁の物語  作者: Keiたま
6/8

短編ネタ拝み屋

単なるネタです


オカルト物大好きなんです。


今日も今日とて夜道を歩く。


「…なんであたしが…」


花の女子高生が、何故、危ない夜道を歩かねばならん。しかも、ここのところ毎日と言ってよいほど。


我が家は先祖代々拝み屋家業を営んでいる。といっても、副業で・だが。その筋の人や地元の…まぁ、昔からの御近所さん達。知ってる人は知っている、というぐらいの知名度だ。

由緒“正しき”ってわけでもない。初代とかは知らないけれど、少なくとも曾祖父母からは、なし崩しに営んでいる。このご時世、妖怪だー幽霊だーで、食っていけるのは一部の派手な方々。唯でさえ怪しい職種。だが何かと頼まれるものだから、辞めるに止められず。というところだ。


「幸か不幸か、“血筋”っての?は繋がってるし、対処法もそれなりにあるしねぇ」

我が家全員、例に漏れず霊媒体質。あ、婿入りな父は違うか。祖母の場合は親戚婚姻だったから問題なく霊媒体質だけれど。


《フン、時代が時代ならお前も姫様だったろうにな》

「葉…かんべーん、姫とか。今の時代に生まれてラッキーっすよ」

《ハハッ欲がないな》


そう言ってヒョイ、とあたしの肩に乗ってきた葉は、三叉の黒猫妖怪だ。あたしの相棒。


《で?今夜のお相手は?》


「ムッフー!葉ちゃん喜べ!最近原因不明に起こる謎の器物破損!しかしてその実態や如何に!」

《…朔、遂に壊れたか》

「葉さん辛辣ーっ!あっはー、この高揚した気持ちぶつけてイイヨネー?連日連夜、この如何し難い気持ち、其処の君に捧げるわっ!」


ビシィと指差したあたしの先にいたものは。


《…貴様ダレダ?》

《…朔、ただの八つ当たりの相手にしては、随分小物だが…自我を持った人形か…少しは手加減してやれよ》


「んーまぁ頭には入れとく」


そう言って臨制体勢に入る。




人の想いをその身に宿す人形は、媒体となりやすい。

大事にされた分だけまた、大事にされなかった分だけ、人に還してくる。



「…一体アンタは何をされたんだろうね…?」


マリオネットであるこの人形の武器は糸。巧みに此方へ仕掛けてくる。細い分だけ見失いがちで、地味に攻撃力がある。

「…っっ…カスッた…お風呂でシミルだろーな…」


油断して避けきれなかった糸の先端が腕に赤い線を引く。



「…朔」



うっわぁはいっ!! 葉さんが低っくい声で呟く。…怒ってらっしゃる…

んもー過保護なんだから。まぁそれだけじゃないけどさ。



「お説教はごめんだからキミ、これで最後ね。悪く思わないでね!」



そう言ってあたしは腕の数珠に力を込め…弓を具現化する。

懐から取り出した札をまたも力を込め矢に変え


『射!!』


人形に狙いを定め、射る。線を描いて向かう矢が――先端から五つに分かれ人形を取り囲み…


『!!…ぎゃっ…』


圧縮して


『ポンッ』


元の札に戻る。


『…なんだ、式神にでもする気か?その札…』


さっきまで怒っていた葉も、仕事終了とあって溜飲を下げてくれたようだ…良かった、ばぁちゃんとのダブルタッグはキツいもんがある。


とりあえず今晩のノルマ達成、往々にして帰路を辿る






御拝読ありがとうございました。


つたない文章ですが、少しでも暇潰しになりますれば幸いです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ