登録されたノパルの花
エリザベスは深く息を吸い込み、商人ギルドの扉をくぐった。建物は広々としており、色とりどりのステンドグラスに飾られ、高級な香の匂いと、ささやき声が空気を満たしていた。
中に入ると、一目で誰が手の空いている職員か分かった。長い顔の若い受付係が、爪を磨くことに夢中になっている。
彼女はためらわず近づき、ややぎこちない声で言った。
—こんにちは…これを登録したいです。私のものとして。
男はゆっくりと顔を上げた。視線がエリザベスの全身を這うように見た。**浅黒い肌、簡素な旅人の服、野性味と都会的な雰囲気が混じった姿。**彼の心には毒が湧いた。
「なんだこの娘は…ふん、あの肌の色…奴隷か?一人か?くそ、さっさと帰ればいいのに…」
—君が? —彼は眉をひそめ、軽蔑を隠さずに言った— 主人は?
エリザベスはまばたきもせずに返す。
—はい、私です。登録、お願いします。
彼はため息をつきながら、不機嫌に申請用紙を取り出し、面倒そうに書き始めた。周囲の職員たちは一部がチラリとこちらを見るものの、口は出さなかった。商売のプロとしての意識がある者もいて、隣の職員がつぶやいた。
—ほっとけ。金を持ってるなら問題ない。
エリザベスは持ってきた小さな木箱から、彫刻用の道具を取り出し、紙の片隅に丁寧にノパルの花の印を刻み込んだ。魔法ではない。ただの焼き印でもない。しかしそれはこう語っていた。「これは、私が作ったものだ。」
しばらくして、受付係は不満を隠しもせずに最後の印を押し、書類を彼女に渡した。
—はい、すべて登録完了です…お嬢さん。
その言葉はまるで毒のようだったが、エリザベスは無言で書類を受け取り、まるで野放しのロバのようにギルドを飛び出した。後ろも振り返らず、通行人をすり抜け、砂埃の街路を駆け抜けた。
走りながら書類をめくると、視界の片隅に一文が目に入った。
「本書によって、無断複製には罰金、許可付きの複製には制作者へのロイヤリティの支払いが義務付けられる。」
孤児院に駆け込むと、息を切らしながら叫んだ。
—シスター!みんな!来て!…木工職人のところに行こう!もっとおもちゃを作るの!
子どもたちはバレロやコマ、ピリノラ、そして荷物を載せられる赤い柵付きの小さな車のおもちゃを手に取り、エリザベスとともに走り出した。
目的地は、以前木材の端材を売ってくれたあの職人の工房だった。
エリザベスは扉を開けて中に入り、息を切らしながら言った。
—これ…おもちゃ、作ったやつ…
子どもたちが差し出すと、職人はひとつずつ手に取った。目を細め、鼻で嗅ぎ、木を軽く叩き、時には噛みそうな動作までしてからニヤリと笑った。
—ほう、あの木くずからこんなものが…
彼はすぐに工具を取り出し、見本の通りにおもちゃを作り始めた。**仕上がりはより洗練され、滑らか。**自然の才能と長年の経験の違いがそこにあった。
—君には自然の才がある。だが、これは年季だよ。
エリザベスは登録証を見せて言った。
—もう登録済み。これで安心。子どもたちに作り方、教えてもらえる?
職人は子どもたちを見て、ニッと笑った。その顔は、柔らかい木材を前にしたときの彫刻師そのものだった。
—ああ、教えてやろう。これからは、職人の卵だな。
エリザベスはまた走り出した。次は、シスターと残りの子どもたちを迎えに行く番だった。
ノパルの花は、今まさに咲き始めたのだった。




