ジャガー
エリザベスは怒りと憎しみに満ちた陶酔の中にいた。もはや動物の皮を被った人間ではない。今の彼女は、人間の姿をした獣だった。その野性的な姿、この世界のクズどもには未知の存在だった。彼らはあの服装を見たことがない、あの魔法を知らない、そして今起きているこの出来事の意味も分かっていない。
エリザベスはただ、ジャガーのように咆哮した。
最初に視界に入った人間に向かって駆け寄り、腕を狙って一撃を放つ。感触はまるで熱したナイフでバターを切るように滑らかだった。何の抵抗もなく、その者の腕は宙を舞った。男は絶叫した。
「うああああああッ!オレの腕がァ!オレの腕がァァァ!」
その光景に、数人は死への本能的な恐怖と戦いながらも、勇気を振り絞ってエリザベスに向かっていった。挟撃の陣形をとり、ある者は斜めに切りつけ、またある者は剣を突き刺すような構え。恐怖に震える者たちは、剣をまともに構えることさえできず、それでも死を覚悟して野獣のように体当たりしてきた。
エリザベスの感覚は鋭敏になっていた。彼女は回避の姿勢をとり、最初の攻撃を髪の毛をかすめるほどのギリギリでかわす。そしてもう一人の刺突を見たとき、手を槍のように伸ばして反撃を狙うが、他の者たちが無謀にも突っ込んでくるのを見て即座にその案を捨てた。
猫のようにしゃがみ、脚に力を溜める。そして「勇敢な者」から片付けることに決めた。
跳躍と同時に、彼女の爪は狙いを定めた男の胸を貫通した。心臓をその手で貫き、熱い血が手に流れ落ちるのを感じるが、何の感情も湧かない。ただ、少し距離をとっただけだった。
仲間の一人が倒れたのを見た他の「人間のクズ」たちは、恐怖に呑まれ始めた。一人が叫んだ。
「くそったれ!死にたくねぇ!」
そう言って命惜しさに逃げ出す。もう一人は恐怖で動けず、最後の「勇者」は、狂ったように剣を振り回しながら突っ込んできた。そこに技などない。ただの絶望だ。
エリザベスは剣の軌道を見極めながらゆっくりと近づき、爪でその手の指を切り落とした。剣は空中に舞い、その男の悲鳴が響き渡る中、エリザベスは宙に浮いた剣をつかみ、恐怖で硬直したもう一人に向かって投げつけた。
生き残ったのは二人。指を失った男と、逃げ延びた臆病者のみ。
エリザベスの怒りは思考を覆い尽くしていた。ただ黙って、指のない男を地面に倒し、両手を高く上げて拳を固めた。そしてその拳を肩に振り下ろす――骨の砕ける音、肉が裂け潰れる音が響く。
男は涙を流しながら叫び、命乞いをする。鼻をつくアンモニアの匂いが、彼の恐怖を物語っていた。だがエリザベスは止まらなかった。彼女の顔はまるで激怒した鬼のように歪み、口から発せられたのは、彼女の母語だった。
「¿¡PIEDAD!? ¿¡USTEDES LE DIERON PIEDAD A LA HERMANA!? ¿¡LE DIERON PIEDAD A LOS NIÑOS!? ¡USTEDES DISFRUTABAN CON LA VIDA DE OTROS!」
(「慈悲!?お前たちは姉妹に慈悲を与えたのか!?子供たちに!?お前たちは他人の命を楽しんでいたのか!?」)
怒りは収まらず、エリザベスは爪を使わず拳のみで男を拷問するように殴り続けた。骨は砕け、血と涙が溢れ、男の体は原型を失っていく。それでも彼女は手を止めない。
やがて最後の拳が男の顔に直撃し、まるでスイカが潰れるように粉砕された。
彼女はただ立ち上がり、手に付いた血を払い落とした。
…しかし数秒後、体の力が抜けていくのを感じた。
死の加護が彼女の体から離れ、部屋の中を彷徨うように動き始める。その姿は、まるで果実を摘む人のようだった。そして死神は、懐かしい旋律を口ずさみ始めた。
「No sé qué tienen las flores, llorona, Las flores de un camposanto~」
(「お花には何があるのか分からない、泣きながら、墓場のお花~)
それは幻だったのかもしれないが、死神が魂を口に含むようにして飲み込むたび、闇の渦がその口から広がっていた。魂を「味わう」ように、舌なめずりしているように見えたが、骸骨でしかなかった。
エリザベスは疲労に抗いながら、シスターを姫のように抱き上げ、静かにその場を後にした。
感情はすでに枯れていた。だが彼女は、殺人に対して嫌悪や後悔を覚えていなかった。それは無感情ではない。ただ、彼女の行動には今や「生き延びるため」以上の意味がある。――誰かを守るために。
あの汚らしい家を出るのに、それほど時間はかからなかった。
空はすでに明るみを帯びており、おそらく午前5時か6時だろう。街には冒険者や通行人が動き出していた。エリザベスがシスターを抱えて歩く姿に、不安そうな目を向ける者もいれば、無関心を装う者、あるいはひそひそ話し合う者もいた。
それでもエリザベスは疲労と戦いながら進み続け、やがて孤児院に到着した。
扉を閉めて中に入ると、子供たちは皆、ベッドで別々に寝ているのではなく、体を寄せ合って一塊になって眠っていた。お互いを守るように。
エリザベスはその光景に、かすかな微笑みを浮かべる。脚は震えていたが、シスターを部屋まで運び、やや大きめのベッドにそっと寝かせた。
残った力を振り絞って、彼女に毛布をかけると、自分はその場に崩れ落ちた。
体が悲鳴を上げる。
疲労、そして――
まぶたが重くなり、ゆっくりと、深い眠りに落ちていった。




