地獄の公爵
大海原を奔る
側には君が居て…
君が居て…
君の髪の毛に水飛沫が掛かり、
虹色に輝く。
嗚呼、とうとう廻り逢ったんだね!
何時か君と廻り会わんことを!
そう想っていた…
でも、君と会うことは無かった。
君とは会えなかった。
今も思い出す
あの懐かしかった日々を…
僕を優しく凝視める瞳
柔らかい唇より真珠のような歯が煌めく
髪を優しく梳いてくれる細い指
美しい頸
豊かな胸
長い肢体
まるでサマテラケのニケのように美しかった。
愛しき僕の片割れ…
僕の全てよ!
でも、君と会うことは無かった
君と逢わなかった…
いまは君を思い出せずに…