流の二
ぼくは、ぼくの特性上 男性役(男性キャラクター)を演じることが多かった。二回目の主役級のキャラクターとして登場させたのが、呉内露風(または紅焔煬)という。
これが、のちのちまで尾を引く事になる。
露風はエゴイストで計算高く、利益追求主義のためしばしば人心を無視することがあった。のちに明かされる事だが、彼は名うてのホワイトハッカーで、シンガポールの華僑の次男坊、だが、あることがきっかけで自分の家を没落させて飛び出て来た。
ゾンビのうごめく町で人々と交流を重ねるうち、「人間」に興味を持って、やがて……という流れになるのだが、その先に立ったのがRの持ちキャラ(女性)と、Mの持ちキャラ(女性)という構図が如何にも拙かった。
正直な話、ぼく自身としてはMとからみたくなどないので、その選択肢は止せ、と露風には言って聞かせたが、キャラクターの暴走が起きる事があるのが創作なのだということを、おそらく簡単には理解してもらえまい。
結局、結論から言えばRのキャラを選んだわけだが、露風は散々思わせぶりな態度を取った……取りすぎた。M自身が勘違いしてしまったほどまでには。
それからぼくは、あるブラウザゲームにはまったMがアカウントをそれ用にすると言うので、そのゲームを毛嫌いしていたぼくは、「壁打ちするとかアカウント分けるとかしないならぼくのアカウント消します」と明言したが、結局そう言った配慮はなかったため、予告した通り関連したアカウント2個を削除した。
それで縁は切れた筈だった。