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side 執事長セバスチャン

 辺境伯家の総意 執事長セバスチャンの覚悟

 

  side 執事長セバスチャン 


  勇者のタマゴは、何時の時代にも 何なら、勇者が 活躍中でも、何人か 必ずいる。この世界中でなら、何十人単位で 種族や性別関係なく、各年齢層に 居なくては、もし たった1人の勇者に、事故があった場合 世界の破滅の危機になるだろう。

 セバスチャンは、先々代から 辺境伯家に、仕えている。当代の辺境伯の おむつ交換だって、こなしてきた。それは 愛する辺境都市のタメでもある。セバスチャンは、辺境都市の 孤児院出現だ。ヒカル様の 大先輩と、いうことになる。つまり、執事長セバスチャンは 辺境都市に育てられ、辺境都市に つくし、辺境伯家の 安寧のタメに、粉骨砕身 働いて来た。やり甲斐もあり 王都に次ぐ、繁栄をしている 辺境都市と、その辺境伯家の 執事長を務めているということに、少なくない矜持もある。 

 聡く健康な当代辺境伯 嫡男と次男、長女と 跡継ぎも 年子でポロポロ産んでくださる、朗らかで丈夫な辺境伯夫人。夫婦中は、勿論良過ぎる位で 来年など、双子が産まれる予定なのだ。

 辺境都市と 辺境伯家、執事長セバスチャンは 安泰を、信じていた。嫡男イーサン様が、勇者のタマゴという 称号を、お持ちであると 鑑定され、めざまし過ぎる 能力に、恵まれ過ぎているのが 判明するまでは。

 過ぎる能力は、この世界でも 好ましいとは言えないのだ。妬まれるし 攻撃される原因になりうる。次期辺境伯が 勇者になったら、王家などは 王権の転覆を、本気で考える可能性もあり カシマシイ貴族達は、妬み 攻撃してくるだろう。つくらなくていい敵が 増えるのだ。

 ここ何百年か、皇国は 魔物のスタンピードも、魔王の出現もなく 平和に推移してきた。

 貴族同士の 仕様もない争いは、相変わらずなくならないが 辺境都市は、魔の森や ダンジョンからの、豊かな資源により 他の追随を許さない、強固な経済力もあるのだ。



 イーサン様は、現在 1日7食 1食5人前のエネルギーを、必要とするほど 勇者の素質に恵まれてしまった。今日現在 確認されている、勇者のタマゴの称号を持ち 一番強いのは、三十歳の Sクラス冒険者、SSSクラスの冒険者へは もうなれないだろう。他の称号持ちも 伸び悩んでいる。

 このまま イーサン様が、勇者になれば 喜んでいいのか、悩ましいところなのだ。

 人のいい 現辺境伯は、次男を跡継ぎにして イーサン様は、勇者になればいいのでは?と 楽観視しているが、今現在 間諜スパイが、辺境都市内に 溢れかえっている。治安も みだれつつある。

 3歳に 成長した、イーサン様は A級冒険者3人では、御しきれない 5人でも、いっぱいいっぱいなのだ。

 執事長セバスチャンは、眠れない日々を 過ごしていた。しかし、昨日 朗報が届いた、御学友が 現れたかもしれない!半分は そんな都合のイイ話はないだろうと、アキラメていたのだが 試しにと、遊べるに来た 5歳の子どもは、性格も躾も 申し分なく、その上 運動神経と、幼児の扱いに たけていたのだ!何なら 冒険者5人より、イーサン様の あしらい…ゴホゴホ、扱いが上手い!!!イーサン様も 「ニィニィ ニィニィ」と、イタくなつかれて ヒカル様が帰られたあと、日頃の3倍は 大暴れして泣き喚く始末!!

 「良い子にしていないと、ニィニィは 2度と遊びに来ませよ?」と 脅す…ゴホゴホ…説明すると、今までで一番良い子になり しおらし…おとなしく、フォークとナイフで 食事までされる変わりよう!!

 辺境伯家一同 感涙にしきり、全員むせび泣いたのだ!!

 「執事長!ヒカル様を 逃してはなりません!コレから 寝かしつけまで、総力で当たりますので 執事長は、是が非でも 白金貨を、何百枚積んでも ヒカル様を、確保してきてください!!」

 コレは、辺境伯家の 総意なのである。失敗は許されない!!

 執事長セバスチャンは、決死の覚悟で 辺境都市警備隊本部 隊長室のドアを、3回ノックした。

 

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