神の加護
秘密基地 箱舟には、武器防具類は 全くなかった。環境は 高級宿並みだし、畑や 果樹園、川や 池等で、食べ物には困らなかった。
しかし、弁当くらいの 料理しか、箱舟から 外のシティーには、持ち出せなかった。
お金で 生活に困らなないが、武器防具は お金なしでは、木剣も 手にすることは、出来なかった。………コレまでは……
神の加護
ジミーは、隠蔽のスキルを使い 噛みつきうさぎの真後ろをとった、あとは 棒きれで、頭を殴打して 仕留める。2時間で 一匹。ソレでも 運がいい方だ。普通に 捕獲ゼロ日は、多いのだから。丸々太っていた 噛みつきうさぎは 1キロ位の、肉のブロックを 3個もドロップさせた。ジミーは 上機嫌だ。
「あっちの方に ジークがいるか、肉を アイテムBOXに、入れてもらおー!えへへ!ジークは 女神さまの、加護持ちで アイテムBOXのスキルがあるんだ!!スゴいだろー!。」ジミーは、ジークフリートが大好きなんだな。
「師匠 お腹すきました!」ボクは 空腹を訴える。
「お前 燃費悪いなー。でも おチビは、10時と 3時に、オヤツを食べないとイケないルールだからな?いいぞ、移動する前に アゲじゃがを食べよう!」名前のまま、フライドポテトである。2人は 立ったまま、マワリを警戒しながら アゲじゃがを食べた。
「お茶で ちゃんと口はすすげよ!虫歯は 痛いからな?」ジミーは、やさしく指導する。
「うん、解った!」ボクは 昨日から、ジミーの 弟子なのだ。子分ではない所は ジミーの拘りらしい。いい師匠なんだよジミーは。
「よし、ジーク達の所へ 行こう!」獲物があるので、意気揚々と 移動する。
ジーク達は、3人組んで 狩りをする。ジークフリートと ジョーが、棒切れを持つ前衛 ロバートが、弓矢(手作り)の 後衛だ。ボビーの弓矢は 撤退するとき、役にたつ。
「今日は 噛みつきうさぎが、沢山いるな?まだ 昼飯前なのに、3匹も倒せたぜ?」ジョーは ご機嫌だ。
「ボビー!ジム達は どっちら辺にいる?あまり離れては いないだろうな?迷子にならないよう 気を付けてやってくれ!」ジークは、リーダーらしく 仲間への気くばりを欠かさない。
「コッチに走って来てるよ。もうすぐ 合流出来るだろう。」ボビーは、視力がいい。ジークは 短剣が、手に入れば 後衛より、盗賊の方が あっているのかな!?とも考えている。
「ジミーは、頑固だからなぁ ハハハ、隠蔽スキルで 1人の方が、狩りがしやすいとかぬかして オレ達と、組まないから笑える!」ジョーは いつも、ジムをからかうし 本人の前では、ジミーと愛称では呼ばないが、箱舟で 一番ジミーを気にかけて、可愛がっているのは ジョーなのだ。
「3時の方向に 噛みつきうさぎがいるぞ!二匹だ!ヤルか?」ボビーが 指を指す。
「いいや、ジミー達と 一度合流して、一緒にお弁当にしよう。」ジークのコトはに ジョーは、辺りを警戒しながら ジミー達5人で、座れるシートが、広げられる スペースを探す。
「来たよ 来たよ、……アレっ?ジミー達 獲物があるみたいだぞ?ふふふっ…マジかよ!本当に 今日は、噛みつきうさぎが 狩れたみたいだ!」ジョーが 嬉しそうに呆れて言う。
「ジョー あんまりジミーを、からかうなよ?ジミーは まだまだガキんちょだから、直ぐムキになるだろ?」ボビーも 笑っている。
「ヘイヘイ わかってるっつうの!でも ジミーからかうのが 一番おもろいから、ヤメらんないしなぁ〜!」ジークと ボビーも、2人がじゃれ合うのを 見ているのは、楽しいといつも感じている。
あと、どれ位 共同生活出来るか、解らないのだから 一緒に生活している間は、仲良く楽しく暮らしたいのだ。
パタパタ走って来た ジムと ヒカルは、1キロの肉のブロックを 2人で、3個も抱えてきた。
「隊長!作戦成功しましたぁ!!」ジミーが 敬礼する。
「ダレが隊長やねん!ソコは 普通にリーダーダロー!」ジョーが 突っ込む。
「気分は 隊長なんだよ!!せっかく盛りあがってんのに ジョーのバカ!」
「ハイハイ コントは、ソコまでだな?よく狩れたな!?エラいぞ ジム。ブロック肉を、3個も ドロップしたのか?大物だったな!!」ジークが、褒めながら ジミーと、ボクの頭を ワシャワシャ撫でてくれた。ジョーと ボビーも、交代で 撫でてくれた。
「とにかく 昼飯にしようぜ?今日の弁当は 何だろうな?」ジョーが笑う。
「茹でた じゃが芋と、ジャムパンと リンゴだよ!」見なくても わかるとばかりに、ボビーが ヤレヤレと、肩をすくめた。
「毎日 変わり映えしない、安定の弁当だな?腹は いっぱいになるんだから、問題ない!」ジークは、当然とばかりに シートに座り、弁当を食べ始める。
「コノ レジスタシート、魔道具なんだぜ?すげーだろ?魔物の タゲを、反らすんだ!昼飯が 安全に食える!」ジョーは 何気に説明してくれた。本当は やさしい性格だ。口は悪いケド。シートは 5〜6人なら、ゆっくり座れた。
「今日は、もう充分 ブロック肉も拾えたし、食休みしたら 箱舟に帰還するぞ?いいかみんな!」ジークは 決断も、早く的確だ。みんな うんうんと頷いた。
3時の オヤツ前には、箱舟に帰還出来た。オヤツを食べて お昼寝をしたら、夕方までに 温泉に入った。湯船は広くて 泳げた!バシャバシャ遊んでたら 湯あたりして、ジミーとボクは フラフラになる。
「コイツら、本当にバカだよな?全く 面倒みきれん!」と ブツクサ言いながら、両脇に ボクらを抱えて、ロビーで 冷たい果実水を、飲ませてくれた。
「ジョーの ヘンタイ!!バスタオルで スッポンポンで、ロビーに連れて来んな!!」果実水を乗ん 元気になったジミーが、軽口を叩く!
「へっ!湯あたりして スッポンポンで伸びた癖に、ソコは ありがとうございました!ダローが!よぉーし、バスタオル剥がして かわいい象さんを、さらけ出すがいい!!」と ジョーが、ジミーのバスタオルを 引っ張る!
「ヤメろぉーっ! キャぁっ! ヤメてぇーっ!ゴメンなさいっ!ゴメンナサイ!ありがとうございましたってぇばー!」ソファのマワリを 走り回りながら、ジミーが 逃げ回る。
「反省が足りん!!!てぇいっ!!」バスタオルは 引っ剥がされた。アハハハハっ!本当に仲良しだ。
「ハイハイ ソコまで! いい加減ウルサいよ?もう少し 落ち着いた行動しないとだな?」ジークフリートは ニコニコ笑いながら 制している。本当に 家族みたいな、生活している。
「ところで ヒカルなんだけど、警備隊の 掲示板に、迷子の捜索願いは 貼ってなかったそうだよ?ヒカルは 暫く、箱舟で 様子見になるな?ヒカル ソレでいいかい?僕達といれば、安全で快適な拠点で 食べ物も、まぁまぁ心配しないで 暮らせるよ?」ジーク 本当にいい漢!
「よろしくお願いします。」ペコリと お辞儀したボク。ジョーが 頭を、ワシャワシャ撫でてくれる。
「心配すんな!王都に 自力で帰れる倉、オレが面倒みてやっから!!」漢前っ!!
「バカタレっ!ジョー!!ヒカルは このジェイムズさまの 一番弟子なんだぞっ!!だからぁ 責任もって、指導するのは このジェイムズさまだっ!!」胸を張り過ぎて 尻もち着いた、シミーは 本当にかわいらしい!
「そうだな?自分で 言い切ったコトだ!ジム、ヒカルは任せる!ちゃんと 面倒みろ!」ジークと ジョーの連携も、息ぴったり!ボクは 箱舟のメンバーが 大好きになった。
2日後、ダンジョンで 噛みつきうさぎの狩りをしている。
10時方向では、ジーク達が 連携して、噛みつきつきうさぎを タコ殴りにしていた。
ボクは、今日 ある計画を、実行する。ダンジョン 1階で、迷子になるよ?
ジミーが、隠蔽のスキルを使い 噛みつきうさぎの、狩りを始めた!チャンスだ!ボクは ダンジョンの壁際に向かう。こっそり…
少し離れた 壁際の藪の影で、ボクは アイテムBOXから、小振りの鉄製の ボロナイフに偽装された、自己修復する ミスリル合金ナイフを、5本と ジークフリート用の、炎の魔剣を1本(自動修復 身体の成長に合わせ、最適の長さ等になる チート仕様の片手剣)、ジョーには 両刃のバスタードソード(勿論 自動修復、ジョー専用仕様)、ボビーには 弦を絞ると、弓矢が 無限に放てる魔道具の弓、一番悩んだのは ジミーようの 槍(自動修復は勿論 魔力で、穂先がズバっと飛び出し 刺さったら、穂先の刃がカエシ状に飛びだし グリグリ回転、肉をエグリ 自動で、瞬間に 手元に戻る!必ず 槍が、ジミーの手元に 戻る仕様だ!エグい機能!)。
アイテムBOX(時間停止の 古びたリュックサック )を、18個(現在 箱舟にいる 人数分)を 確認して、ボロ布で 出来た、時間停止ではない アイテムBOXになった、ズダ袋に詰めた。準備は済んだ。そして 白いハンカチを、結びつけた 細い棒切れを ソロソロと振った。
暫く、待っていたら 慌てた様子の、ジーク達が ボクを、発見してくれた。
「痛いところはないか? ケガしてないか?」みんな心配してくれる。
「ジェイムズ君 軍法会議決定!」
「無事見つかって 本当に良かった!」
「うわ~~ん!ばがびがどうー!びや〜ん!」
ボクは、プルプル震えながら(みんなが どんな反応するか、心配で 実際顔色も悪かっただろう)、握ったままの ズダ袋を、ジークフリートに差し出した。
「何だ?ヒカルは ちょっと、レジャーシートで 休ませよう! ジョーにボビー、壁から 少し話て レジャーシートを敷いてくれ!ジミー 今すぐ、泣き止んで ヒカルの身体を擦れ!ヒカルの顔色が悪い!」ジークは、テキパキと指示を出した。そして 怪訝そうな表情で、ズダ袋に 手を入れて ハッとした表情をした。その後 困惑した表情になり、パアッと破顔した。
こんなに、次々と ハッキリ表情が変化する人を、初めて見たよ。
ボク達は、レジャーシートに 円座になった。
冷たい果実水を飲んで ボクは腹をくくった。真実全部は 話せない。しかし 嘘はつきたくなかった。ボクは 武器について、どう上手く説明しようか 改めて考えていた。
「みんなに 話しがある。暫く黙って 僕の言うことを、よく聞くんだ!いいかい?」ボク達は 全員、無言で頷いた。
「ダンジョンで 迷子になったヒカルと、無事合流できたのは、本当に奇跡だ。コレについては、後日 箱舟で、ゆっくり考える。ソレより、重大なコトがある。優先順位 ブッチギリで一番だぞ! この汚い ズダ袋に注目してくれ!」ボク達は、全員首を傾げた。とにかく ジークに注目して、おとなしく話しの続きを聞く。
「コノ ズダ袋を ヒカルがどうしたのか、今は、ソレどころじゃない 大変な事態が 起こっているんだ。コノ 汚いズダ袋は、時間経過のアイテムBOXになってる!ソレも 些細なコトだ!問題はっ!袋の中身っ!魔道具の武器が 沢山入ってるっ!」いつも冷静沈着な ジークフリートが、だんだん顔を真っ赤にして 興奮して話し出した!!!




