なんでもない手
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なんでもない。大丈夫。無理矢理、彼女は笑ってみせた。
そっと触れかけた手、行き場無くしてあたふためく。どうしていいかわからなくて背中に隠した。
僕は気まずくなって頬を掻いて少し笑って返した。
沈黙が数分続く気まずくない沈黙だ、僕は彼女のこととその他のことで頭がいっぱいで
寧ろクールダウンしている。
理由は聞いていいのか、何故泣いているのか、今晩の食事はどうしようか、好きなアイドルのライブチケットは当たっているのか。
僕はめんどくさくなったので率直に聞いた。
「あ、えっと、あの、なんかあったの?大丈夫?」
いざ、言葉を声に出すと気まずくなった空気感が出来上がった。
こんな文言聞いても彼女のは十中八九「なんでもない、大丈夫」と無理矢理、笑顔作るだろうと思った
がしかし彼女は答えた。
僕は驚いたその答えに、頭の中でプシューと何かが抜ける音がした。
僕の頭はクールダウン超えてオーバーヒートしてたみたいだ。疲れた。
風が吹く誰もいない田舎の無人駅で彼女はこう言ったのだ。
「あんたと過ごしてると幸せすぎて 全人類に申し訳なってくる」
うざ死ね。僕は、僕らは僕らの世界があるからそう思っても仕方ないと思った。
僕らは手を繋ぎスーパーに寄り無味無臭暖かい感じで帰った
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