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爺さんとの出会い
「……997、998、999、1000!」
シルバーは今日も山奥で、朝の日課の素振りを千回する。誰にも負けないことを目標にして以来、毎日毎日山奥で修行を続けているのだ。このあと朝食を取ったのち、再び修行に戻るつもりだ。
普段住処にしている洞穴のそばに行くと、誰か人間の足跡が付いているのが分かった。警戒しながら中に入る。が、誰もいなかった。
その時、洞穴の入り口の方から声がした。
「ほぉ〜、お主がこの洞穴を使っていたのか。なかなか強者の匂いがしてやってきたらまぁ、こんなに強き人がいるとはのぉ。どうじゃ、共に旅をしてさらなる高みを目指さんか?」
肩にかかるくらいの長さの真っ白に染まった髪、蓄えられた真っ白な顎髭と口髭、皺だらけの顔、そしてぱっと見では分からないが圧倒的強者の気配を纏った爺さんが、ワフクと呼ばれる種類の服を着て立っていた。
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