表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界はOKAMAの夢をみるのか  作者: ぶんさん
80/157

イーチェと再会する

ブックマークありがとうございます。

魔法陣の近くにイーチェとナーリが立って居たのだ。

ネイサンも驚いてナーリに話しかける。


「ねえね!」


抱き合う二人。仁もイーチェも再会が嬉しくて仕方ない。

ユキも二人の周りを跳ね回って喜んでいる。


「でも、どうして?」


「夕べ知らせを貰ってマーロウに相談したら飛竜兵を一騎、貸してくれたんですよ。滅多な事では使えないけれど、ネイサンの役に立てるならと」


皆に一度に説明したいから…と側に来たナーリが答えた。


「ナーリさん。いっちゃんのお世話、ありがとうございます」


仁は深く頭を下げる。


「こちらこそ、イーチェとの毎日は楽しくて困るくらいですよ!」と慌ててそれを止めるナーリ。


「空を飛べば、王宮までもあっという間でしたよ。怖かったですけども。けれども王宮に着いたら、お二人共いないというし…イーチェの機嫌はどんどん悪くなるし…」


「だって!ねえねと会いたかったのに!」


頬を膨らませて抗議するイーチェ。可愛すぎると抱き締める仁。


「じゃあ、ここまでも飛龍で来たのか?」


ネイサンが聞いた。ナーリは頭を振ってイーチェを見る。その顔は既に父親のようだ。


「飛龍はすぐに返したよ。貴重だからね。でも、王宮の転移魔法陣を見たイーチェがね…これなら少し手を加えれば 自分の魔力でもっと効率良く簡単に発動出来るって言い出して。魔術師たちが止める間もなく、さっさと描き換えてしまったんだ」


得意げに頷くイーチェに苦笑するナーリ。短期間でずいぶんと仲が良くなったようで少し寂しい仁である。


「ビイナ様のおかげ…」


「そうだな。この魔法陣なら、連続で複数回使っても疲れまいよ」


ニコリと笑いかけるイーチェの頭を撫でるビイナ。教え子の成長は嬉しいものだ。


「…とりあえず一度、王宮に戻るか?」


「あの…ここが信頼できる人に任せられるなら、直接セファに行きませんか?」


ネイサンの問いかけに、イーチェとの時間を取りたがると思った仁が意外な事を言い出した。


「セファに行くって言っても…お前さん、行った事ないだろうし知り合いもいないだろう?」


仁は少しばかり歯切れ悪く「知り合いというか…知っている魔力というか…」と答えて黙り込んだ。さすがに魔族の事は言えないので困る。


「…まさか、ソケネを追うつもりじゃ…」


ビイナの言葉に驚いて、慌てて頭をぶんぶん振って否定する仁。さすがにまだ、そんな無謀な真似はしたくない。セファに居るとは限らないし、するとしたら最期の時だ。

ポン、と頭に手を置かれてドキッとする仁。しかしネイサンは問いただすつもりは無いようだ。


「行けるなら、その方が良いだろうな。軍の魔術師は優秀なのが多いが後方支援が主だし、俺たちほど自由が利くのは居ないだろうからな」


「…まあ、ネイサンが言うなら仕方ないか…」

わしはあんまり表に出たくないんだがなあ…ぼやくビイナ。


ビイナ、ネイサン、仁。この三人で、恐らくは正規軍一軍以上の働きが出来るのではないだろうか…。ここに来てから漏れ聞いた冒険者たちの話を脳裏に思い浮かべ、ナーリは一人 身震いした。



セファに行くと決めたビイナとネイサンは、それぞれ王宮宛てに書簡をしたためてイーチェに渡した。

「君はこれからは王宮で生活する事になるのだ。書簡を渡す程度の案件位こなせなくては困る」と言うビイナの主張からだったが、任せられたイーチェは「ふんす!」と鼻息も荒くガッツポーズで答えて周りを和ませた。


そして、ネイサンは主な冒険者に今後の行動を説明してハームやエルに後を任せる。


「…なあ、ネイサン」


アロンが、イーチェと仁が戯れているのを見ながら聞いた。


「何だ?」


「なんで、ねえねなんだ?」


「…俺に聞くな…」


何故、どいつもこいつも俺に聞くのか…。ネイサンはため息をついた。

その肩には、まだルアフが乗っている。別に体重がかかるわけでもないので構わないのだが、常に目に入るのは鬱陶しい。


『ルアフ、お前もジンの魔法で移動するか?』

『私も行くけど、飛んでいく』

『わかった。なら、向こうで会おう』


ルアフは頷いてネイサンから離れて仁の元に行く。


『ジン、もっと魔力が欲しい』

『ルアフ、ままに甘えすぎ!』

「…駄目よぅ、ユキちゃん。でも、なんでかしら?」


ルアフは、自分は空を飛んでいくからだと説明した。仁は「分かったわ」とルアフに魔力を分ける。魔力を貰い受けながら、ふと思い出したようにルアフは仁に聞く。


『ねえ。何で魔法使わなくなったの?』


仁は、ちょっとドキンとした。さりげなくビイナの目もこちらを向いたのを感じる。そういえば、ルアフさんのは普通の念話とはと少し違うのかしらね?ルアフさんが見える人には聞こえる感じ?


「特に理由は無いのよ?やってみたら効率良く魔力が使えたからなの」


嘘ではない。


『やっぱり、ジンはおかしい…』


一言残して空に舞い上がっていく。こういう時のルアフさんは精霊っぽくて本当に綺麗よねえ…仁は見送りながら思うのだった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ