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異世界はOKAMAの夢をみるのか  作者: ぶんさん
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始まり

今年に入ってからタイトルが思い浮かんでいたんですが、自分に書けるか疑問だったので書かずにいました。


今回コロナの影響で時間が出来てしまったので、面白いかどうかはわかりませんし、ラストまで行けるかもわかりませんがのんびり書いていこうと思います。


基本、アクションもなく仁の生活を書いていくだけになりますが…一応、保険でR15は付けてみました。


初めて書くので、至らない点はご容赦を!


始まり



まわりには何もない草原が広がる丘の上で彼は途方にくれていた。


うららかな春の陽気を感じさせる風が吹く中で、彼の心の中は「ひょぉぉぉ‥」と轟音を伴った大風が西部劇のワンシーンのように荒れ狂っている。


例えそれが、傍目には少々強面な仁王様が棒立ちで虚空を睨み付けているようにしか見えなくとも。


彼は非常に、非常に困惑していたのである。


何故なら彼の目に映る景色は、彼が今までいたはずの場所とは全く様相が異なっているからだった。目を凝らそうが、擦ろうが、何度瞬きしようが‥変わらないのだ。


「ここ、どこよ‥?」


‥戸惑いと焦りが入り交じったその声はーーまるで子供の声の様にひどく心細げにこぼれおちたのだった。


***


「ここ、どこよ?」


呟いて、もう一度辺りを見回してみる。


うん。何もない。


‥なんで、なにも無いの?ちょっと待ってよ?

あたし、部屋でお茶飲みながら久々の連休は何しようかなって。

楽しみにしてたショッピングに行こうか映画でも見ようかしら?とか考えていたのよね?


で、ここどこよ?なんなのよ?


仁王立ちの状態から両手を頬に当てた彼は、うっすらと涙を浮かべていた。


「‥待って。待つのよ、あたし。落ち着いて深呼吸よ。このままじゃループしちゃうから」


すーはー、すーはー。


えーと。あたしは、誰?‥天野仁。23才。ぴっちぴちのフレッシュウーマン。


うん。そうよ。


ちょっぴりブラックな会社だけれど、あたしをあたしとして受け入れてくれた上司のおかげで頑張って仕事してる。


ここに来た時の記憶はある?‥いつも通りに会社に行って、仕事して終電で帰宅。

ご飯は我慢して疲れちゃったからお風呂もシャワーだけで済ませて、最近お気に入りのハーブティーを飲んで‥?


あら?そのあとはどうしたのかしら?


「‥あ‥」


そういえば、いきなり頭が殴られたように痛くなった。


吐いたような記憶も微かにある。確か、脳溢血とかそんな症状だった気がする。

でも、今は何ともない。‥むしろ、溜まっていたはずの疲れも感じない。

これだけ混乱していなければ、スッキリしているとさえ感じたかもしれない。


「えー‥。あたし‥死んじゃった‥?」


じゃあ、ここが天国ってものなのかしら?確かにのどかでキレイな所だけれどぉ。

それとも、もしかして夢を見ているだけなのかしら。普通に考えたら、そうよね?


「うん。これ、夢なんだわ、きっと」



両手のひらで頬を包むように首を傾げていた仁は、ポンと手を打ってにっこりした。



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