六話 自称 桃太郎のでぇれぇ無双
自衛隊や警察官と自称 桃太郎の遭遇です。
「お主がこ奴らの将か?」
桃太郎と名乗る美少年が、隊長の碇矢に問う。
「あ…あ…あ……そ、そうだ!私が隊長だ!」
桃太郎と名乗る美少年に返す碇矢。
「難儀しとる様じゃの?助けてやろうかの?」
碇矢に更に問う桃太郎と名乗る美少年。
「あ…あ…ああ、頼む。助けてくれ!」
桃太郎と名乗る美少年の圧倒的な強さを見て、助けを乞う碇矢。
「どれ……」
と、自衛隊や警察官を蹂躙していた獣の群れに向かって行く、桃太郎と名乗る美少年。
「うわぁーお!うわぁーお!おっおっおっおっ!うわぁーーーお!」
と、妙な声を出しながら戦ってた志村を襲っていた獣を…
「それ」
と、軽々と一刀両断にする自称 桃太郎。
そのままスタスタと歩いて移動すると
「マジかぁ〜!マジかぁ〜!どうすんのこれ!?」
そう言いながら戦っている井本の近くの複数の獣も……
「ほっ よっ そりゃ」
と、こちらも軽々と叩き斬る自称 桃太郎。
そして、その勢いのまま歩いて行き
「てっちゃん!働け!宮川も弱音ばかり言ってんじゃない!」
と、奮戦している中年の内村の周囲の数匹の獣も……
「そりゃ そりゃ そりゃ そりゃ」
と、舞でも舞うかの様に、斬り伏せる自称 桃太郎。
刀を肩に担ぎ、少し歩いて
「無理だよ 無理だよ」
と、相変わらずヘルメットを抱えて震えている高木に襲いかかろうとしていた巨大な獣も…
「よっ」
と、小枝でも斬るかの様に叩き斬る自称 桃太郎。
またスタスタと歩いて行き
「宮川さん!そんなのダサいっすよ!ちゃんと結果 出しましょうよ!」
と、宮川にダメ出ししている手越の周囲の獣も…
「ふんっ」
と、一薙ぎで三匹 斬り倒し、そして……
「お主ら 弱いのぉ……」
と、桃太郎と名乗る美少年。
それを近くで聞いて
「いや!それおかしいし!お前 頭は大丈夫か?リアルにおかしいって!」
と、叫ぶ出川。
「ん?」
そう言い、出川を見ると、スタスタと出川の方に向かう自称 桃太郎。
それを見て
「いやいや、マジでごめんなさい。いや、本当 マジでごめんなさい」
と、必死に謝る出川。
「んっ」
と、出川に襲い掛かろうとしていた巨大な獣を一刀両断にして
「大丈夫か?」
と、出川に声を掛ける自称 桃太郎。
そのまま歩くと
「ちょっ!おまっ!ちょっ!ちょっ!おりゃ!」
と、奮戦していた加藤の周囲の獣も…
「ちょ?」
と、言って叩き斬る自称 桃太郎。
そして、斬った勢いのまま、横に移動すると
「よっ!ほっ!おっ!まっ!えっ!わっ!だっ!れっ!だっ!」
と、獣の攻撃を、ギリギリで体操選手の様に躱す仲本の周囲の数匹の獣も…
「それっ それそれそれそれそれ それっ」
と、難無く舞う様に斬り伏せる自称 桃太郎。
その流れのまま、さっと移動すると
「いや、マジ 無理 マジで無理な奴やん!やっても死ぬパターンやん!」
と、言っている宮川に襲い掛かっていた獣も…
「ふっ」
と、横に一刀両断にして、そのまま軽く横に数メートル飛び
「やんのか?こら… あ?やんのか?」
と、ぶつぶつ言いながら銃を乱射している荒井の撃ち漏らした多数の獣も…
「そぉーーーーーーれっ」
と、一気に叩き斬って行く自称 桃太郎。
そして、少し戻ると碇矢に
「この辺りのは大体 退治した。後はお主らだけでも大丈夫だろう。わしは、他の辺りのも退治してくるゆえ、こいつを見ておいてくれ」
と、馬の様な生き物の世話を頼んだ。
「あ、ああ、助かった。わかった。見ておこう」
と、預かる碇矢。
確かに自分達で戦うより、この美少年に任せてしまった方が確実だ。
そのまま自分の近くの獣を斬り伏せながら、離れた所の獣も斬って行く自称 桃太郎だった。
それを見ながら、自称 桃太郎に助けられた自衛官や警察官は、本当に御伽話の世界から、桃太郎が現れた様な気分になっていた。
次回から章が変わりますが……
ノリは相変わらずゆるいです。
まだ書いてないですが、登場予定の新キャラが……
あ、桃太郎 またマイペースに動くなよ……
いや、あっちとね。足並みを揃えないと……
あ、「でぇれぇ」は岡山の方言で凄いを強く表現した言葉です。
あ、桃太郎?こら、桃太郎……
おーーーい。