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3 私と二人で、一緒に、空を飛んでみませんか?

 私と二人で、一緒に、空を飛んでみませんか?


「巴ちゃんは、私のこと、覚えてない?」少女は言った。

 少女は巴のことを、ちゃんと巴と名前で呼んだ。どうやら、理由はわからないけど、少女は確かに巴のことを以前から知っているようだった。


 がたんごとん。

 電車が揺れた。


「ごめんなさい。あなたのこと、覚えていない」巴は言った。

 すると少女は、「そっか。残念」と小さく笑って、巴に言った。


「私は夢。白鳥夢です」と夢は言った。

「夢?」

「はい。夜に見る夢の夢です」にっこりと笑って、夢は言う。


 二人の距離はとても、本当にとても近かった。肩と肩がぶつかり合うくらいに近い。電車の中には二人以外に乗客はいないのに、二人はこんなにも近い場所に座っていた。(しかも、さっきは手までつないでいた)


 巴はこんなにも誰かと近い場所にいたことがなかったから、そのことをすごく恥ずかしく思った。でも、この夢という美しい少女と距離を取ろうとは思わなかった。むしろ、なぜだかはわからないけど、もっと夢の近くにいたいとすら、巴は思った。(そんなことを自分が思っていることが不思議だった。だって私は他人が大嫌いな人だから……)


「私と二人で、一緒に、空を飛んでみませんか?」

 夢は言った。

「空を?」巴は言う。

「はい。あの大きな青色の空の中を……」

 真っ赤な夕焼けに染まる、二人のほかに誰も乗客のいない、小さな電車の一台の車内の中で、そんなことを夢は言った。

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