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ケバブ 1

 ひぐらしの鳴き声と、風邪に揺られる木々の音が混ざり合う日のこと。

そう、あれは確か8月の終わりのことである。

 僕は当時18歳、高校生最後の夏休みを迎えていた。その時は母親が亡くなってすぐで、夏休み中は父方の祖父の家(田舎)に住まわせてもらっていた。

 その地では友達もできた。始めての彼女もできた。



彼女との思いで(割愛)



 ある日、ゴン子(彼女)から祖父の家の近くで祭りがあるという話を聞き、ゴン子を荷台に乗せた自転車に乗って近くの社に向かっていた。

そしてもうすぐ着くと思いながら道角を曲がった瞬間、


ゴン子「危ない!!!!」


そう叫ぶ声を聴き前を見ると大型トラックが走ってくるのが見えた。楽しみのあまり浮かれていて、自転車を飛ばしすぎていた僕は、ブレーキをかけることも忘れトラックに突っ込んでいった。

「死んだ」と思った。

「自分のせいで自分の大切な人を失うんだ」と思った。

死んだはずの母親の顔が浮かぶ気がした。

風が急に遅くなった気がした。


 そしてそのままトラック突っ込んでいった。


 自転車ごと白いガードレールにぶつかり、血が大量に出た。

急に体が冷えて、風の音が途切れた。

 アスファルトがうごめいていて、地面に、ゴン子が頭から吸い込まれていくような錯覚に陥った。


記憶が途切れるまで、そう時間はかからなかった。



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