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恋砂時計

作者: 慧奈

もう知らないふりなんてできない

知ってしまったこの気持ちが

爆発しそうになってる

けれど長い長い秒読み

目で追っているだけの時間すら

苦しくなる。

知らなければ良かったなんて

後悔してももう遅い

息が苦しくなる。

後戻りも出来ない

わかっている。わかっている。


気分だけでも逆さまにしよう、

なんて砂時計をひっくり返りてみる

サラサラと流れるガラスの中の砂はまるで

追いかけてた時間のようで、

あっさりとなくなってしまう。

それを見てまた戻ろうとする

戻らない時間を振り返る


ちょっとだけ勇気を出して

オシャレして、わざとらしく声を掛けて

「なんか違うね」って言われてみたくて

もっと近づきたくて

隣にいる事を想像してしまう程に

あなたが好き。


長い、長い、長い

秒読みは止まらない

苦しくなって、赤くなって

返した砂時計がまた終りを告げる前に

時間を戻して

ただ黙って見てる。

落ちて行く砂が刻む時は

あっという間の私だけの時間


そうだ、今日は

今日こそはって気合いを入れてみる。


ちょっとでも覚えて欲しくて、

でも実際、姿が見えると

顔を伏せてしまう


だけど今日こそはって振り返ると

目と目が合った

私の恋の砂時計は

動きを止めて、また動き出した

新しい秒読みが始まった。



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