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1:お告げと娘と肉屋とパンツ

 リアゲ・ツォン国。リアゲ・ツォン神を唯一神とする中央国だ。広大な大陸の中央にあることで、他の国々の交易点として栄えた国だ。


 某日、その国の神殿で神に祈りを捧げていた聖女の元に神のお言葉が響いた。


 国の2番隊に所属するある騎士に勇者としての資格があるということ。その者に祝福を授けたこと。そして、その勇者と共に魔王を倒すべし、と。


 その日、神殿と王宮はてんてこまいになった。休日を楽しんでいた騎士は呼び戻され、緊急会議が開かれた。


 …1年程前に入った見習い給仕がこっそりと城を抜け出したが、それに気づいたものは誰も居なかった。






 だが、そんなことは城下町では関係のないことだ。

 その日もただ平和で賑やかな日常だった。


 ただ風が、一陣の風が吹いただけであった。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



びゅぉぉ


 風が吹いた。そこそこ強い風だ。そんなに短い訳ではないスカートがまくれるほどの。


「きゃあ!」


 いかにも町娘といった風情の女が居た。彼女はただ、久々の休みに浮かれて色々な店を冷やかしているだけだった。服装は茶色で纏めた平凡な服で、下は白のスカート。明るいブラウンの髪に合った可愛らしい服だ。

 しかしその服を着たことを町娘は早速後悔していた。いきなり突風が吹いて、意思でもあるかのようにピンポイントで町娘のスカートを持ち上げたのだ。中も白だった。



 それを目の前でばっちりと目に焼き付けた幸運な男がいた。肉屋の主人である。

 彼は妻に頼まれ、買い出しに行くところであった。肉屋の夫人は強く、豪快な女性で、いかにも肉屋といった人だ。彼女は気風も良く、彼女と出会えたことに肉屋の主人は感謝していたが、いかんせん尻にしかれっぱなしだ。

 今日も、普通なら主人が店に残るところを、買い出しに行かせられた。しかし、それに納得し、店を任せることを全く心配していないだけこの夫婦は気が合い、信用し合っているのだろう。


 さて、そんな肉屋の主人だが、いきなりのラッキースケベに固まってしまっていたが、我にかえると慌てて目を逸らした。

 …いや、逸らそうとした。


「…っ!」


 一歩遅く、此方を睨みつける村娘と目が合ってしまい。


パシッ!


 頬に良い一撃を貰ってしまった。


 肉屋の主人に平手打ちを食らわした村娘は涙目で走り去っていった。若干スカートを抑えつつ…。



 村娘が去っていったのを見届けた肉屋の主人は、打たれた頬を抑えながら暫く呆然としていたが、お使いを思い出すと慌てて市場の方角に足を向けた。




 村娘が去っていった方角では、一部始終を見てしまった肉屋の夫人が、先程の夫と同じような表情で固まっていた。

適当な人物紹介


【村娘】

 普通に可愛い普通の子。普段は食堂で働いている。今回1番の被害者。この日は1日部屋にこもることになる。ちなみにお告げがなければ仮勇者の騎士にパンツを見られてフラグが立つはずだったとかだったら良いな。


【肉屋の主人】

 見た目はただのおっさん。妻の尻に敷かれているが本人はそれで満足している。とてもラッキーな物を見れたが、買い出しが遅くなった時の妻の機嫌が心配。お土産でも買うかと企んでいる。そろそろ子供が欲しい。

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