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筋肉と笑顔の日常
ライブから数日後。
スタジオには、いつものようにメンバーたちの声が響いていた。
「兄貴、この前はマジでかっこよかったっす」
ないこがコーヒーを差し出すと、悠佑は受け取りながら豪快に笑った。
「ガハハ!当たり前だ!筋肉は舞台裏でも輝くんだ!!」
その言葉に、りうらがくすっと笑う。
「……いや、輝いてたのは筋肉じゃなくて兄貴本人っすよ」
「おお?」悠佑は目を丸くする。
「オレが……輝いてた?」
「そう。兄貴が俺たちを守ってくれたから、安心して歌えたんです」
りうらがまっすぐ言うと、仏も頷いた。
「ほんとだよ。悠佑くんがいるだけで、なんだかほっとするんだ」
悠佑は顔を真っ赤にし、そっぽを向いた。
「お、お前ら……やめろよ。照れるだろ」
――その仕草がまた、可愛い。
「兄貴、顔真っ赤っすよ」
ないこがにやにや笑うと、悠佑は耳まで真っ赤になりながら叫んだ。
「こ、これはプロテインの熱だ!!!」
全員が吹き出し、スタジオは笑いに包まれた。
豪快で筋肉バカ。
でも誰より仲間思いで、時に可愛らしい一面もある兄貴。
――悠佑は、今日も変わらずみんなの真ん中で輝いていた。




