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可愛らしい兄貴
ある日の夜、練習が終わったあと。
メンバーたちはそれぞれ帰支度をしていたが、悠佑だけはソファに座り込み、真剣な顔でスマホを見つめていた。
「……ん?兄貴、どうしたの?」
りうらが覗き込むと、悠佑は慌ててスマホを胸に隠した。
「な、なんでもねぇ!」
「怪しいなぁ」
そう言ってひょいとスマホを奪おうとすると、悠佑は顔を真っ赤にして叫んだ。
「や、やめろっ!これは筋肉に関係ないやつだ!」
「筋肉に関係ないやつ……?」
仏がそっと後ろから覗き込むと、画面には――
“可愛いキャラクターの筋トレグッズ” が並んでいた。
「……ぷっ、兄貴、こういうの好きなんだ」
りうらが吹き出す。
「うるせぇ!!」
悠佑は真っ赤になって頭を抱えた。
「オレだってよぉ……可愛いものくらい好きになるんだよ!」
ないこがにやにやしながらカメラを向ける。
「兄貴、可愛すぎるから記念に撮っとこ」
「やめろーーー!」
顔を真っ赤にしたまま、悠佑は筋肉で隠れるように両手を広げた。
その姿に、メンバー全員が声を揃えて言った。
「……兄貴、可愛い~~♡♡」




