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消えないリリック  作者: 櫻木サヱ
りうら
14/37

仲間との出会い

放課後のスタジオ。

りうらは、少し離れた場所で譜面に目を落とし、静かに作曲をしていた。

鍵盤から紡ぎ出される旋律は美しくも孤独で、誰も寄せ付けない雰囲気を漂わせる。


「…君、すごいね」

声に振り向くと、そこには初兎が立っていた。

低音ラップを操る青年で、りうらとは対照的に感情を前面に出すタイプ。


「…ありがとう」

りうらは少し戸惑いながらも、静かに答える。

――普段は誰にも褒められないのに、なぜか心が少し軽くなる。


「一緒に曲を作ってみない?」

初兎の提案に、りうらは迷いながらも頷く。

――天才であることは孤独だと思っていたけれど、協力してくれる人がいるなら…


スタジオに低音ラップと美しい旋律が重なり合う。

初めはぎこちなかった二人も、次第に呼吸を合わせ、曲は自然とひとつになる。

――こんな感覚、久しぶりだ。

孤独だけでは生まれない、誰かとの共鳴。


その夜、りうらは窓の外に仏のような光を見つける。

柔らかな光が、心の奥の緊張を溶かすようだった。

――少しずつでも、誰かに心を開けるかもしれない。


孤高の天才美少年は、初めて自分の才能を共有できる相手と出会い、静かに笑みを浮かべた。

――孤独だけど、希望も少しずつ見えてきた。


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