衝撃スクープとオレ
こちら現場の東海○です。
ただいまオレの目の前では宇宙大戦みたいな有様が繰り広げられてます。
紫の軍師ビームっぽいものがガンガン飛んで、森林地帯がケーキみたいにサクサク切れてく。つーか抉れて土ごと蒸発してゆく。
ここには資源を大切にとか、京都議定書とか、EC○ファームとか無いのか。
てゆうか、これ見てるとさっきのピンチとかが何かものすっごい勢いでどうでもよくなってくんですけど。
ちなみに一番のスクープ映像はアレだ。
「セシェ――――――――――――ン!!」
何処のオペラ歌手ですか? てかあんたでもどなる事があるんだねデュラン。
一帯に響き渡った怒声にセシェン君がさぁっと青ざめる。
おお、これもなかなかレアっぽいぞ。
「何をしているセシェン! さっさと来い!」
「魔王様お怒りじゃない?」
空中に浮かぶというお約束の格好のまま、普段の百倍はありそうなキラキラオーラ(しかも色は紫。悪趣味だ)を超サイ○人みたいに纏い、何かに向かってビームやら見えない波動(だと思う。いや、見えないんだし分からんって)を撃ち続けているデュランを指すオレ。
「行ってきたら?」
「しかし、この状況でナカバ様をお一人にする訳には……」
「うむ、よしここに残ろう。オレが許す」
チキンとか言うな。
だって森が木とか土ごと一気に消滅してるんだぞ。
パンピーのオレが食らったら確実に死ねる。
美形に傍に居られるというのは屈辱だが、セシェン君背中だけ見てればまぁ我慢できるレベルの人だし。いっそワンコ形態になってくれればもっと助かる。そんな人間形態よりもっふもふの毛皮の方が絶対に良いって。
まぁ、夏場に近寄ってきたら殺すけど。
だが、まぁこれで盾は確保できたとオレが一安心していた所に全てをぶち壊すわがままキングの声が降ってきた。
「何をしている。さっさと従え」
従え、となっ?!
あぁ、でもそう言えばこいつ魔王様だっけ。それにセシェン君はその執事だしってマテやそこの紫男。
「何だ」
「なぜに微妙にその右手の照準がオレ達っぽいんですか?」
「分からないか?」
こっちむいて喋ってる間にも次々に周囲へお盆サイズの魔法陣っぽいものを展開させて、方々に弾丸っぽいものをばらまいている環境破壊の申し子ことデュランはオレ達の方をみてニッコリと笑った。
輝くような笑みだった。
「心配を取り去っておいた方が感謝されそうだからな」
「はいっ?!」