その他大勢とオレ
下着も買った。靴も買った。ついでに何かうっかり要らないもんまで買ってしまった。
何この万能包丁。
売ってたおばさん(と思われる喋るキノコ)、上手だったもんなー。
「現実から目をそらすな」
あ、ばれた。
えーちなみに現実って何? ってな人の為に………このネタ前にやったな。
じゃあ略。
では、普通に紹介しよう。
右からザコA、ザコB、ザコC、面倒なので以下略。
「うぉぃっ!!」
何か背景が涙目で突っ込んできたような気がするが、まぁ所詮背景なので気にしない。
美形な男は虫唾がはしるが、別にオレはブサイクが好きな訳でもないし。
如何にも覚えても無駄そうなオーラが体からにじみ出てるし。
「ナカバさん……」
「はいはい、何でしょう」
「ピンチじゃないですか?」
「……やっぱり?」
まぁ、アレですな。
お約束の柄の悪い連中に囲まれる非力な主人公ぽい感じの奴。
てゆうか主人公非力じゃダメだろ、と毎回オレはあの手を読むたびに思うんだがどうなんだろう? ちなみに非力な美少女が襲われてる所にカッコよく登場するキザな美形。アレがオレは一番嫌いだ。
絶対お前出番まって何処かで隠れてただろ。ストーカーかよ。
「ナカバさーん」
「どうしたね、涙目の輪切……スライス君」
「地味に名前間違えないで下さいよー」
「ごめんごめん。いや何かつい……で、何?」
「何と言いますか……この事態どうするんですか?」
「うーん、どうしよう」
スライス君はこの怯えっぷりからするとこの子は戦力として期待できない。
で、オレはどうかと言うと自慢じゃないが逆上がりが出来ないオレに何か期待するのは間違っているだろう。
つまり、戦力ゼロ。むしろマイナス補正。
一方でザコの皆さまは何か手に物騒なもの持ってるし、筋肉むきむきっぽいし。
「いや、あそこのカルシウム全開みたいな奴は例外か」
「スケルトンで何が悪い!!」
カチカチ骨を鳴らす骨格標本。
スケルトンは嫌いじゃないよ? むしろデザイン的に結構好みだ。が、お前はちょっとなー。
「……ナカバさん」
「うんー?」
「この状況どうするんですかー……」
「お金で解決?」
財布はデュランのだし。
「無理ですよー。人間が大金持ってるなんて分かったらさらに危ないですよー」
涙目で震えるスライス君。
畜生、可愛いなぁこの子。お持ち帰りするぞコノヤロウ。
さてと、現実逃避終わり。そろそろ対策考えないとやばい。
三つくらいは考えてるんだけど一つは永久に閉じ込められそうだし、一つは結構ダメだったら終わりー的なアバウトさだし、最後の選択肢はまぁあんまり選びたくない。確実だけど。
しょうがない、二番目で行くか。
オレはデュランから預かっているipodもどきに触れる。
操作方法はえーっと……ふむ、これで良いか。
「よし、じゃあ逃げよう」
「この状況で何処に逃げるんですか?」
うむ、壁際追い詰めは王道だからね。
だが、オレには便利グッズがついている。ま、戦闘なんて格ゲーか戦略系ぐらいしかやったことないし、大して強くも無いがボタン操作とかはある程度慣れてるし。
「じゃ、行きますか」
ではお約束。
そーれ、ぽちっとな。