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お買物とオレ

 ワープゾーンって奴は初体験だったけどかなり便利だなコレ。

 利用方法はいたってシンプル。


 1、案内板を見て、行きたい場所へのマークと同じ円形の中に入る。

 2、数秒間静止する。


 はいこれであなたも今日からワープゾーンマスターです!


 ちなみにスライス君の説明によれば、移動する気が無い場合は上を素通りする事も出来るし、いつまでも上でぼーっと寝転んでいる事も可能らしい。まぁ寝転んでた場合移動してきた奴が大型魔族の場合ぷちっと腹のあたりで潰される可能性もあるからお勧めはしないそうだけど。


「大型魔族ってどんなサイズ?」

「最低でも5セクパはありますよ」

「……」


 セクパって何だ。パーセクの勘違いか?

 そっか、翻訳機能をどっかのマッドサイエンティストがヒトの体に勝手にくっつけてくれやがったらしいが、こっち独自の単語までは翻訳できないのか。ちっ、役に立たない美形だな。配慮しろよ。


「服関係はこっちですね」


 ぽへんぽへん、と音を立てて跳ねつつオレを案内してくれるスライス君。

 ちなみにここに来る間にスライス君のお仲間らしき色違いのスライムとか、どこかで勝手に商標権無視してつくっちゃいました、的なスライムのパチもんっぽい奴とかと何人かすれ違っている。

 ま、多分亜種って奴だな。


「そうです」


 一先ず一番近い店から中に入って服を物色しているオレの傍で脚立の上にのっかっていたスライス君が跳ねた。……これって多分頷いたんだよな?


「僕らスライムは一番多様な形を持ってますから。ナカバさんの近所にもいたでしょ?」


 イマセン。セカイガチガイマス。


「居ましたね」


 適当ににっこりして話を合わせるオレ。

 空気が読めないようじゃ、元居た場所じゃあやってけない。あ、この服良いかも。籠にポンと放り込む。


「でも、オレ魔界来たばっかりなんで良く分かって無いんですけどね」


 これはセシェン君との打ち合わせ通り。

 いわく、事故でたまに魔界に落ちて来る人が居るんだそうな。オレはその扱いになるらしい。

 確かに事故トラブル(どっかの馬鹿自分至上主義者様のわがまま)のせいで魔界に落っこちた(ゆうかいされた)んだから間違って無いっちゃあ間違って無いもんな。

 ……。



 よし、帰りに何か武器買って帰ろう。彼の為に。



 そんな思いを胸にそっと秘めて、オレは取り敢えず試着室に持ってく服をぽんぽんと籠の中に放り込む。

 うし、こんなもんだろ。

 「一度に持ち込む服の量は三着までにお願いします」みたいなセコいルールは魔界には無いらしいから、取り敢えず欲しい分だけ籠に詰め込んだぞ。

 ……問題は重いってことだけど。


「それならライトで軽くすると良いですよ」


 はい? スモ○ルライトで小さくしろってことですか?

 いやそれどこのド○えもん?


「ライトですよー。あれ? もしかしてナカバさん魔法苦手ですか?」

「えぇ、と言うか……使った事もそもそもないと言うか、知識もほぼゼロというか」

「あ、そうだったんですか……」


 すみません、と謝るスライス君に何かこっちのほうが恐縮してしまう。

 これが某オレサマ気質のアホウなら即死刑だが、スライム相手にそんな風に思うほどオレは人間やめて無い。

 手を振って気にしませんよー、と意思を伝える。

 ……ん? ジェスチャーってこっちも同じ意味になるんだろうか?

 あぁ、何か通じたっぽい。フィーリング万歳。


「かけておきますねー。『望む 羽 羽 解き放つ 助けの力』」


 スライス君の体が淡く光る。

 と、急に籠が軽くなった。


「……おぉ」

「軽くなりました?」

「何かすげー! 本物の魔法っぽい!」

「……本物の魔法なんです」

「あ、ゴメンしょげないで。本気で謝る。土下座しても良いからってゆうかそういう意味じゃなくて」


 謝り倒して取り敢えず落ち込んでるスライス君の誤解を解いて、オレは改めて籠を持った手を上下させてみる。うん、軽い。こりゃ便利だな魔法。


「さっきのって呪文? 望むなんちゃらーって言う」


 更衣室に入って着替えながら尋ねるオレ。


「はい。ナカバさんも直に使えるようになりますよーきっと」

「へー、そうなんだ。そんな簡単?」

「デイスペルですから」


 ディスペル?


「明かりをつけたり、火をつけたり、小さな傷を直すような日常用の魔法の事です」


 ふんふん……げ、これ着てみると微妙だなー。よし、これはナシ。


「じゃあ、この店内の明かりも魔法?」

「そうですよー」

「あのワープも?」

「あれもそうですけど、初級じゃないですねー」


 魔法にもやっぱり分類とかランクがあるらしい。ライトは便利っぽいから使えるなら覚えようかな。


 それはさておき雑談の間に一通り試し終わったんで、オレは更衣室の外に出る。

 気に入らんかったものは返して、良いと思った奴を色違いを含めて幾つか買っておく。

 金も荷物入れも腐るほどあるからちょっとした豪遊、大人買いだね。

 他人の金での買い物って楽しいなぁ!


「じゃ、次下着売り場行きたいんだけど」

「はいはい、ご案内します」



 ……そう言えばスライス君。君ってもしかして素っ裸じゃあるまいな?


 







【作者後記】

祝自分!

と言う事で貴方が記念すべきお気に入り登録4人目の方です。

恐れ入りますありがとうございます。


途中で書きたいエピソードだけ決めておいて、後はノリで書いてます。



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