就寝時間とオレ
まぁ、聞く事聞いたらあんな奴に用は無い。
と言う事でオレはさっさと魔王陛下の部屋を出て自分用に貰った部屋に帰った。
途中で迷子になったとかは気にしない。
部屋が遠くて疲れたのも気にしない。
だって歩数が違うんだ。つまり消費エネルギーが違うんだ。それにサイズが小さければ筋肉の総量だって違うんだ。
だからしょうがないだろ。
……何だよ、憐みの目とかで見てんじゃねーぞ。
「疲れた……むしろ身も心も汚染された気がする……」
せめて普通レベルの容姿の魔族とか居ないのか。
まぁ、ここには居ないんだろうけど。
セシェン君が自分以外は解雇されましたつってたし……くそ、またあの無駄色気のせいか。
しっかし、どうすっかねぇ。
着替えが無いのが結構いたいんだよなぁ。下着とかこのままずっとこれ一枚とかマジで勘弁して欲しいし。
しかしセシェン君はこっちの世界の洋服とか下着とか知らんだろうし、魔王陛下は知っているだろうが頼みたくない。生理的にムリ。
何より美形の男どもにそんな事で世話になるとかどんだけコンプレックス増大ですか?
オレには羞恥プレイを楽しむような性癖は無い。
しかし、それでも着の身着のままオンリーの生活はしたくないしなぁ……。
制服のまま寝たらシワが寄るし。
アイロンかけるのは面倒だし、制服高いんだよなぁ。うち私立だから。
「うーん、でも多分服飾文化はそう変わらん気がするんだけど」
セシェン君のあれはバリバリ執事服だったし。
デュランのアレは気にしない。コスプレする趣味もオレには無い。
とにかく、人間が居て、人化とやらができる魔族も居るならどっかにオレが着れる服も売ってるんだろう。
それを何とかして手に入れれば問題は解決だ。
問題は店とかあるのかとか、それ以前にオレが無一文だっていう事なんだが、その辺はあの魔王様のサイフにたかれば良いだろう。呼びよせた責任だ。
ほら、豪邸住んでるみたいだし財力に余裕はあるはず。
無問題。
「よし、明日払わせるか……」
後は……何だろう。
直に帰す気は向こうは無いみたいだし、帰れないならやるべきことは。
だめだ、眠い。
眠っちゃだめだ。死ぬぞ。いや死なないけど……むしろ死にそうに眠いけど。
「あかん、もう、むり……」
さっき食事前に寝たはずなんだけど。
オレが覚えてる最後の記憶はソレだった。