色違い
いろ
「色違い」
ぼくはウサギ、ぼくたちはウサギの世界に住んでいる。
ぼくは白ウサギ、ウサギの世界でも一番偉いんだ。だからエリートなんだよ。だからお父さんとお母さんが厳しいんだ。
「ポー、ぼくたちは選ばれたエリートだ。だから、黒ウサギたちに命令できるんだぞ。」
友だちのクーだった。
「そうだよね。ぼくたちは選ばれたエリートだもんね。」
ぼくは何にも疑いを持っていなかった。だってエリートなんだから。
「ポーはマヌケでのろまだから、もうぼくたちの仲間ではない。」
クーの一言だった。
「え!なんでぼくを仲間外れにするの?」
ぼくは必死にうったえた。
「ポーは白ウサギに相応しくない。黒ペンキで黒にしてやれ!」
クーは仲間の白ウサギに命令してポを黒ウサギに変えてしまった。
「なんでなんで?」
ポーは次の日から黒ウサギの仲間になった。
「ポー!お前は白ウサギから仲間外れにされたんだ!でも、ぼくたちの仲間ではない!」
黒ウサギのリーダーのチェンに言われた。
「ぼくだって好きでこっちに来たわけじゃない。」
ポーのうったえを黒ウサギたちはあざわらった。
ポーは黒ウサギの中でも仲間外れだった。
差別