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8.しげ爺

僕達3人は朝ご飯を食べていた。

今日はしげ爺が作ってくれた。

小町に料理を教えたのはお母さんみたいだが、お母さんに料理を教えたのがしげ爺らしい。

「今日、田んぼの話をしようと思うのですが、いろいろ信じられないことが起きると思うのですが、落ち着いていただけると」

「哲治くん。もうこんな爺に驚くことなんてないぞ」

「まあ少しだけ気を張っていただけたらなと」

「哲治くんがそこまで言うなら気をつけよう」

しげ爺にはなぜか信頼されていた。

「おじいちゃん。あと今日の事はお母さんにもお父さんにもお兄ちゃんにも内緒にできる?」

「どういうことだ?」

「秘密を守れるか聞いてるの」

「すみません。僕からもお願いしたいです」

「わかった。男に二言はない!」


僕達は朝食を食べ終え、倉庫の前に移動した。


「ん?畑の倉庫か?」

「はい」

「おじいちゃん。扉開けて!」

しげ爺が扉を開けた。

「ん?なんじゃ?肥料に農具。これがどうしたんだ?」

「一度締めて、これを腕に付けてからもう一度開けて」

「これをつけるのか?つけたぞ」

「じゃあ開けて」

しげ爺が再度、扉を開けた。

「ん?部屋か」

「おじいちゃん。ここは異世界に繋がってるの」

「ほう。そうか」

「ルールがあって、この機械にブレスレット以外の着ている物と身に着けている物を入れて緑のボタンを押してください」

「服を脱ぐのか?」

「はい。一度その作業をしたら来てもらって大丈夫です。僕達は一旦外に出てますので」

「わかった」

「終わったら外に呼びに来てください」

僕達は外で待った。


「終わったぞ」

「じゃあ入りますね」

僕達は変換部屋に入った。

「このドアを抜けると異世界の無人島にある家に到着します。びっくりしないでくださいね」

「ほう、わかった」

僕達はドアを通り別荘の変換部屋に行き、そのままリビングに出た。


「ここが異世界の無人島にある僕らの別荘です」

しげ爺は別荘の中を見渡した。

「ほう。なかなかいい家じゃ」

「外に仲間のモンスターも居るので紹介します」

「ほーモンスターか」

僕はオクトンの池にしげ爺を案内した。


「オクトン!」

僕が呼ぶと池からオクトンが飛び出してきた。

キュッキュッ!


「この子がオクトンです。僕らの生活には欠かせない仲間です」

「かわいいのー」

僕の説明が終わる前にしげ爺はオクトンを撫でていた。

「怖くないんですか?」

「怖いわけなかろう。こんなかわいいのに」

「よかったー」


小町が遅れてやってきた。

「オクトン!ビール持ってきたよ」

キュッキュッ!

オクトンはビールを受け取り、すぐに呑み始めた。


▽ ▽ ▽


僕達は別荘に戻り、しげ爺にここ数日の話をすべてした。

「ほー。面白いことになってるな」

「それで、しげ爺のことも確認したくて。ステータスと言ってください」

「ステータス!」

しげ爺の前にディスプレイが出てきた。

「あれ?」

「どうしたのだ?見ないのか?」

「見ます見ます!」


【募前】 新戯ォ戸茂魅シ 

【繧ュ繝】 暦6

【職業】 農拿

【レベル】威ォ5

【窮命力】綻シ痲ウ7曇シ

【魔艦】威シ環ウ

【筋匿】蛾ォ氣ォ斑ォ

【碁ケ濱力】磁シ8瑠ォ曇シ

【禽敏力】弩ォ2濾ウ

【スキル】

○エクストラスキル

蘇る白獅子

○通常スキル

 共通言語

自動翻訳

 稲作

 料理

 武術

 剣術

 指導力

 威圧


「スキル多い!」

「おじいちゃんすごーい」

「そうか?」

しげ爺は顔に笑みがこぼれた。

「蘇る白獅子?なんだこれ」

しげ爺はスキルをタップした。


○蘇る白獅子

 全盛期のステータスを取り戻り、寿命も少し伸びる。

 スキルは一部のみ蘇る。


「全盛期?どういうことだ?」

「若い時ってことかな?おじいちゃんの全盛期っていつ?」

「うーん。18歳の時だな」

「ここに来て、身体が軽かったりしません?」

「別荘に入った時から、身体がバシバシ動くぞ」

「多分ですが、18歳の頃の身体能力になってます」

「なるほど」

しげ爺は立ち上がり身体を動かす。

僕じゃ喧嘩で勝てないレベルの動きをしていた。


「おじいちゃんって剣道とか空手とかやってたっけ?」

「うーん。似たようなものはやっていた」

「だからスキルが多いんですね」

たぶんしげ爺がこの島最強だ。


「それで本題なのですが、この島で米作りをしたくて、アドバイス貰えませんか?」

「お願い!おじいちゃん」

僕と小町は頭を下げた。


「ほほ!いいじゃろう。まだよく見てないが、ここなら何とかなるだろ」

「本当?」

「まあ一度ちゃんと見てみよう」

僕達は田んぼ予定地に向かった。


しげ爺はしゃがんで土を触りだした。

「うん。だいぶ耕して肥料などを入れなきゃならんが、栄養も魔力もしっかりあるみたいだ」

「じゃあ出来そう?」

「水はどこから引くつもりだ?」

「オクトンの池から引こうと思うんだけど」

「なら大丈夫か」

小町としげ爺は詳しく話し始めた。


「シゲ爺、相談なんですが」

「なんじゃ?」

「トラクターなどをここに持ってきて、マジックアイテム化出来たらいいと思うのですが」

「おーそれは面白そうじゃな」

「もし可能なら、使えそうな業務機を買ってもらえませんか?一般人じゃ購入できなそうで。お金は払いますので」

「哲治くん。それくらい任せなさい!」

「ありがとうございます」

僕は頭を下げた。


「そうなると、新潟にいろいろ取りに一度戻らないといけないな」

「そうですよね。業務機もそんなすぐには取り寄せられないですよね」

「業務機は大丈夫だ。取り扱ってる知り合いがいる。在庫があるものを運んでもらうよ」

「なら私も新潟行く!」

「え?」

「マジックバック使えば1発だよ?」

「あーなるほど!」

「それが出来るなら小町について来てもらおうかの」

「うん」

小町の一時帰省が決まった。


僕達はウィスキーの変換をして、現金をしげ爺に預けて家に戻った。

貯金残高は¥12,410,000になった。

300万をしげ爺に渡しても、こんなにあるのはオクトンのおかげだ。

新潟でうまい酒を買ってきてもらおう。




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