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66.vsズラヴィクとデュドド②

敵船2隻は完全に動けなくすることができた。

マストを完全に破壊して、甲板には火が広がっている。

海賊達は海に飛び込んで島に向かって泳いでいた。


「海岸の援護に行くか?」

「そうですね」

ダルンの提案を呑み、海斬丸を出発させようとした。


「プン!もう1隻がこっちに向かって来ている!」

「え?」

遠くの方だけどガレー船が見えた。


「オクトンとカーレが負けるはずはないが…」

「そうだね。だけどもしもの場合がある。次はガレー船を狙おう」

「「おう」」

ジラは首を振って、ガレー戦に向かって出発した。


▽ ▽ ▽


海賊船からの大砲は無くなった。

敵船はボロボロだ。

プン達が海上戦を上手くやってくれたみたいだ。


僕は小舟を数隻沈没させたが、やはり海賊だけあって泳いで上陸してくる。

僕の甘さが最悪な状態を作ってしまった。

騎士達は海賊と戦い、僕も決心をしてキャラメルで脚や肩を狙って撃つ。


ザンとマオとランヴォックさんはデュドドを追い込んでいた。

「はあ、はあ。邪魔すんじゃねえよ。龍人族と変なゴーレムがなんでランヴォックの味方すんだよ!このジジイだけなら秒で殺せたのに」

「素直に降伏するか?」

「しねーよ。馬鹿かよ。はぁー、これをしないといけないのか」

デュドドは頭を掻きむしる。


するとデュドドの身体が少しずつ大きくなる。

4本の腕はより筋肉質になって、肌の色も変わる。

身体にヒレみたいなものが生えてきて、顔がサハギンのように変化した。


「ギ!クソが。意識が持ってかれる。ギャ!」

デュドドはそう言いながら頭を掻きむしる。


「ギャ、ギャギャアアアーオ!」

デュドドの目は完全にモンスターのような目に変わる。


これは危険なのではと思った瞬間、デュドドの姿が消えた。

デュドドはザンとマオの背後に回り込んで、2人を蹴り飛ばす。

2人は防御が間に合わず、海に吹き飛ばされた。


「ザン!マオ!」

「ギャアアアアーオ!」

「ぐっ!!」

2人を心配していた僕の目の前にデュドドが現れ、ものすごい痛みと共に海に吹き飛ばされた。


▽ ▽ ▽


「ぐっ!」

男に何度目かの蹴りを入れられ、木に叩きつけられる。



私は男の額をスナイパーライフルで狙った。

ここで殺さないとみんなが危ないと思い、テツジ様との約束を破ってしまった。

男は弾丸が当たる直前に首を傾けて避ける。

弾丸は男の左目に当たり、男は痛みで叫んだ。


左目から血を流しながら、私がいる所まで物凄い速さでやってきて鋭い爪で脇腹を抉ってきた。

血が大量に出て痛みで動けなくなった。

男は目の復讐をするかのように私を蹴り飛ばし続けた。


「あー痛ぇな。『獣化』で意識を持っていかれかけてたけど、お前のおかげ何とかなった。代償がでかすぎるけどな!」

男は叫びながら私を蹴り飛ばし続ける。


身体の痛みも感じにくくなってきた。

とても寒い。血を出しすぎたみたいだ。

ドルンも倒れたまま動かない。


男は笑いながら近づいてくる。

また蹴るつもりなんだろう。

このまま私は死ぬのだろうか。


「ん?なんだ?なんで急に寒くなった?」

男がそう言った瞬間、私と男の間に大きな氷の柱が降ってきた。

男は氷の柱を避ける。


「あ?なんだ?」

男がそう言うと木の陰から女性が出てきた。

「その人をそれ以上攻撃するのをやめて離れなさい?」

スオンさんだった。


「おー。王女様ではないですか。騎士達と逃げているという噂は本当だったようだ」

男は氷の柱に触れる。

「なるほど。海での戦闘で船を凍らせて動かなくさせたのも王女様か」

男はニヤニヤしながらスオンさんを見た。


「もう一度言う、その人から離れなさい」

「離れなければ?」

「ブリザードシャーク」

スオンさんがそう言うと氷のモンスターが現れ、男に噛みついた。


「グアアア!こっちは『獣化』してるんだぞ」

噛みついている部分が少しずつ凍っていく。


「関係ないわ。そのまま海岸に運んで」

「ガッ!じゃ、邪魔をするな!」

「大丈夫。あっちまで飛んで行けば、ランヴォックが遊んでくれるから」

氷のモンスターは男に噛みついたまま宙を泳ぎ、海岸方面に連れて行った。


私は安心したのか意識が薄れてきた。

誰かが私を抱きかかえる。

ああ。これはプロールの手だ。


▽ ▽ ▽


ガレー船に近くまで来た。

「なるほど。そういうことか」


僕はガレー船を見て安心をした。

ガレー船にカーレが巻き付いて引っ張っていた。


キュー!

オクトンが海斬丸に乗り込んできた。


「オクトン。何か問題は?」

キュー!

オクトンは腕をガレー船に向けた。


「なんだろう。とりあえずガレー船の中を確認しよう」

「そうだな」


僕達はカーレをよじ登ってガレー船に乗りこもうとすると、うめき声が聞こえてくる。

船の側面には沢山の海賊がカーレに吊るし上げられていた。


近くで見たらわかったが、ガレー船はひどく傷ついていた。

「これは簡易的に修理をしないと島までもたないかもな」

「ダルン、木材とかって持ってきてる?」

「ああ。少しならある」

「なら修理をお願いします」

「任せろ」


甲板に到着すると、人族だけではなく様々な種族がいた。

全員が自分も着たことがあるボロボロの服を着ていてやせ細っていた。


「デルン、もし危険な状態の人がいたらポーションを飲ませてあげて」

「はいよ」

僕達はガレー船の中を探索し、体調が悪い人達にポーションを配った。


本当に様々な種族が沢山いた。

人族・獣人族・ドワーフ・エルフ。

そして僕と同じ小人族もいた。


「あのー」

「どうしました?」

小人族の1人が声をかけてきた。


「船の一番下に魚人族が数人いるはずです」

「そうですか。ありがとう。すぐに見てきますね」

僕は船の最下層に向かう。


ガレー船はマジックアイテムのようだ。

大勢で手漕ぎしなくちゃいけないみたいだが、内部は広くて金属製の部品もとても多い。

さっき戦っていたガレオン船とは船のレベルが違った。


船内の下層には水槽のような部屋があった。

そこには魚人族が数人入っていた。


「大丈夫ですか?」

「き、君は?」

「皆さんを助けに来たんです」

「え?」

僕は水槽の鍵を破壊した。



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