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57.集落大工事

シゲ爺とザンから過去の話を聞いてから、1か月ほどが経った。


サハギンのようなモンスターは現れなくなった。

みんなで頑張って討伐をして、本当によかった。


ザンとアデスは前と同じように絡んでいた。

残念なことにアデスの記憶はまだ戻っていない。



田んぼは順調だった。

育苗もできるようになり、米の収穫もできた。

やはりこの島で育てると成長が早い。


田んぼの魔力が減ってしまう問題は魚の骨を粉末にして撒いて対策をしていたが、魔石を砕いて撒いてもうまくいくことが分かった。

ありがたいことに魚の骨とサハギンの魔石が大量にあった。


今後何かに使えるかもしれないので、上位種の魔石は田んぼにも変換機にも入れずに所持している。

ノヴァが来た時に買い取ってもらってもいいかもしれない。


海賊はまだ現れていない。

ザンとオクトンに渦潮付近を見に行ってもらっているが、船が見えたという報告はなかった。


僕的に一番変わったことは、夜中の刀の稽古だ。

ザンとドルンと一緒にシゲ爺から教わっているが、ものすごく厳しい。

シゲ爺が今まで見たことないくらい厳しかった。

1か月ほど経ったが、まだ素振りしかさせてもらえていなかった。


そして船着き場が出来上がった。

ダルンの提案で簡易的だが防壁のようなもので集落全体を囲うことにした。

防壁で囲うと少し狭く感じてしまいそうなので、森を少し開拓し集落を工事することにした。


集落の構造は僕と小町で絶賛考え中だ。


▽ ▽ ▽


「うーん。小町、どうかな?」

「しょうがないよね。次の収穫が遅くなっちゃうけど、お米はまだまだあるし大丈夫」

僕と小町は悩んでいた。


「じゃあ別荘からビーチまでを4段に分けて土地を作る方向にしよう」

「うん。それが一番良さそうだし、その方が田んぼも将来的に増やしやすいしね」

僕達は紙に手書きで島の地図を見ながら大規模工事の構想を考えていた。


防壁で囲むエリアを4段にする。


別荘やオクトンの池があるところを1段目。

みんなの家や広場を2段目。

田んぼは今までよりも広くして、ビニールハウスや育苗場を3段目。

ビーチと船着き場などを4段目にする予定だ。


「だいぶ大変そうだね」

「そうだね。ダルンも呆れちゃうかも」


僕達はダルンの元に向かい、大規模工事の構想を伝えた。


「すばらしい!」

「え?できる?」

「はい。ドグドくんとザンがいるので問題ないです」

まさか僕達の構想がそのまま通るとは思っていなかった。


「田んぼはいつ埋めますか?」

「おじいちゃんに相談してからだけど、すぐに始められると思うよ」

「わかりました!池からの水路も作り直しますね」

「よろしく」

ダルンのやる気は凄かった。


▽ ▽ ▽


5日が経った。

地形はまさかの速さで完成した。


家や広場などは一度解体しているのでまだできていない。

なのでここ数日はみんなで別荘に寝泊まりをしている。


「本当にすぐにできたね」

「凄かったね。ドグドが居たらショベルカーいらないじゃん」

「ザンもすごかったよ。土を動かして、地盤固めて」

僕達は改めて異世界の凄さを感じた。


「というか田んぼ予定地広くない?」

「あっ!バレた?」

「将来的に増やすとは言ってたけど、すでに今までの3倍の広さあるよ」

「おじいちゃんと話してたら、増やすことになっちゃって」

小町はペロっと舌を出した。

本当にかわいい。


小町と話していると、エレ達が建材を運んでいた。


「ジラの腕も治ってよかったよ」

「頑張って縫いました!まあ本当は縫ってる最中に自然にくっついたんだけどね」


今までエレ達は裸だったが、今はおしゃれな服を着ていた。

「服はどうしたの?」

「せっかくだからおしゃれしてもらおうと思って買ったの!ちゃんと『サイズ自動調整』が付いたよ」


エレはオーバーオール、ジラは茶色のスーツ、マオはカンフーの服を着ていた。

3体とも服装のおかげで、可愛さが増した。


「これから田んぼチームと家作りチームに分かれて作業か」

「うん。哲ちゃんは家でしょ?」

「そうだね。追加の建材が今日届くし、メタルフィッシュも捕まえに行かないといけないしね」

「頑張んないとだね」

「そうだね」


僕達は各々の仕事に向かった。


▽ ▽ ▽


僕は家で建材を受け取り、家作りチームと合流した。

メンバーはダルン・デルン・ドルンとドグドとザン、そしてエレ達だ。


「ダルン、作るのは前と同じ?」

「はい。オイラ達とザンの家・クリフ夫妻の家・プン夫妻の家・シゲ爺様の家、そして家電小屋です」

「大きさは変える?」

「家は全体的に少し広くして2階建てにします。1階を仕事場のようにして、2階に寝室を作る予定です」

「おー良いね。建材追加してよかったよ」

プロールやプンは室内で作業がしたいみたいだから仕事場は必要だろう。


「家電小屋はだいぶ広くします。休む必要がないかもしれませんがエレ達の家代わりにしようと思います」

「うん。良いと思う」

「今は冷蔵庫と炊飯器しかないですが、簡易的なキッチンも作れたらと」

「広場で食事することが多いから、わざわざ別荘から運ぶよりはいいかもね。ガスコンロなどは準備しておくよ」

「ありがとうございます!」


作る物がわかり、僕達はダルンの指揮で作業を始めた。




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