50.サハギン討伐大作戦②
「よし。やるぞ!」
「「「「「「「「おー!」」」」」」」」」
僕達は武器を持ち、広場に集まっていた。
昨日の夜に、みんなのやれることは確認した。
この作戦ならいけるはずだ。
「じゃあみんなこれを付けて」
僕はみんなに昨日の夜に買ってきたものを渡した。
トランシーバーだ。
「チャンネルは1で。テストテスト。聞こえる」
「聞こえます」
「了解。じゃあみんな持ち場について。始めるよ」
みんなは持ち場に向かった。
▽ ▽ ▽
私はアデスちゃんと共に空を飛んで、サハギンの棲み処に向かっていた。
「アデスちゃん。作戦は分かってる?」
「うん。パパにちゃんと聞いたよ。今日はちゃんと頑張る」
昨日のコマチ様のお説教が効いているようだ。
サハギンの棲み処の付近に到着した。
オクトンとカーレが海から顔を出している。
私はトランシーバーを取り出した。
「えー。聞こえますか?ザンです」
「哲治です。聞こえるよ」
「今から海に入ります。トランシーバーをしまうので一時的に連絡が取れません」
「わかった。気を付けて頼む」
「はい」
私はマジックバッグにトランシーバーをしまった。
「アデスちゃん。行くよ」
「うん」
私達は海に入った。
オクトンに掴まり、サハギンの棲み処に向かう。
「アデスちゃん。近づきすぎると昨日みたいに寝てしまうから気を付けて」
「うん。わかった!」
岩が多くなり、サハギンの棲み処が見えてきた。
「ではお願いします」
「いくよ!クロデコステッキ!」
アデスちゃんの手にステッキが現れる。
それを振りかぶった。
「いけーーーー!」
アデスちゃんがステッキを投げた。
ドゴーン!
ステッキはどんどん大きくなり、サハギンの棲み処を破壊した。
ギャウ!ギャー!
大量のサハギンやサハギンエリートが半壊した棲み処からあふれ出てくる。
「もう一回です」
「うん。クロデコステッキ!」
アデスちゃんはもう一度ステッキを投げた。
ドゴーン!
サハギンの棲み処は9割がた崩壊しただろう。
「アデスちゃんはそのまま海から上がって持ち場へ。オクトンとカーレはサハギン達をできるだけ引き付けて島に向かってください」
「うん!」
キュー!
オクトンとカーレはサハギン達の方へ向かって行き、アデスちゃんは島へ向かった。
▽ ▽ ▽
アデスが島に戻ってきた。
空を飛んでそのまま持ち場に向かって行った。
「アデスが帰ってきたってことは、最初の攻撃が成功したのか」
「ザンです。今、オクトンとカーレがサハギン達を誘導して島に向かっています」
トランシーバーからザンの声が聞こえてきた。
「わかった」
「私も海に入り、オクトン達と共にサハギンを引きつけます」
「上位種には気を付けてくれ」
「はい。わかりました」
僕はトランシーバーをポケットに入れた。
「ドグド。そろそろ来るよ」
「うん。アデスちゃんも頑張ったから俺も頑張る」
ドグドはブラックグローブを装着した。
数分待つと、海から何かが飛んできた。
サハギンだ。
オクトンとカーレが海から投げ込んでいるのだろう、次々とサハギンが砂浜に飛ばされてきた。
「こちら哲治。ビーチにサハギンが来た。戦闘を始めます」
トランシーバーでの報告を終え、クッキーとクリームを召喚した。
「行くよ、ドグド」
「うん」
僕達はサハギンに向かって行った。
僕はサハギン達に向かって撃ち続ける。
1発当てれば倒すことができた。
ドグドはグローブを鞭のように変形させて倒していった。
「テツジ様」
ザンが海から帰ってきた。
「思ったより数が多かったです」
「わかった。上位種は?」
「数十匹ですが確認はできてます。昨日テツジ様が見た上位種も時機に現れると思います」
「了解」
ザンも戦闘に参加した。
最初は投げ込まれてくるサハギンが大半だったが、普通に上陸してくるサハギンも増えてきた。
「テツジ様。サハギンエリートが来ました。武器を持ってますので気を付けてください」
「わかった」
僕はトランシーバーを取り出した。
「クリフ。上位種がビーチに来た」
「わかりました」
パシュッ!
サハギンエリートが1匹倒れた。
「さすが」
「ありがとうございます。上位種はこちらでやります」
「よろしく」
クリフには遠距離からスナイパーで援護をしてもらっている。
高台などは狙われてしまう可能性があったので、ドルンに空気を圧縮してもらって空中に射撃ポイントを作ってもらった。
長時間もたないのでドルンには付きっきりになってもらっている。
上位種が現れ、サハギン達の数は増える一方だ。
「こちら小町。南の海岸にモンスターが現れたよ」
トランシーバーから小町の報告が聞こえた。
「わかった。くれぐれも気を付けてくれよ」
「大丈夫。アデスちゃんもプロールもいるから安心して」
「うん」
前線に配置するのは心配だったが、小町の希望だった。
「こちらプン。西の海岸にサハギンが現れました」
「了解。何かあったらすぐ言って」
「わかりました」
ザンの予想は的中した。
昨日の夜、ザンから上位種がいて統率が取れている可能性があるから、最初に誘導した場所以外からも攻めてくる可能性が高いと言われていた。
なので北にあるビーチは僕とザンとドグド。
南の海岸には小町とアデスとプロール。
北西の海岸にはプンとペペン
南西の海岸にはダルンとデルン。
東は崖になっているのでサハギンは来ないと思うが、念のため集落にいるシゲ爺とクリフとドルンに見てもらっている。
「よし。ここを早く終わらせて、みんなのもとへ行くよ」
「はい」
「うん」
僕達はサハギン達に向かって行った。




