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40.逆異世界観光②

今日はプンとぺペンを連れてショッピングモールに行く予定だ。

朝、島に寄ったらザンからサハギンがまた数体上陸したと報告があった。

数も少しずつ増えているみたいだ。


「今回もザン達が倒したの?」

僕がそう聞くと、ザンは微妙な表情をした。

「て、手伝いました!」

ザンの返答に違和感を感じた。

だけどザンは一応僕の奴隷だから、悪意のある行動はとれないはずだから何か事情があるのだろう。


そして、今日はクリフ夫妻の距離感がいつも以上に近い。

そして顔が緩みまくっている。

昨夜、きちんと渡すことができたのだろう。

クリフにはプンにも同じ提案をすることを伝えたから、プロールも指輪をつけるのを我慢してくれているのだろう。


「よーし。プンとぺペン。そろそろ行くよ」

僕は二人を連れて島から出た。


▽ ▽ ▽


ぺペンは昨日のクリフのように疲れ切っていた。

今日は子供服売り場で着せ替え人形にされていた。


そして昨日と同じで女性陣はコスメなどを買いに行った。

「プン。そろそろ本屋行く?」

「はい!行きたいです!」

「本屋の後に寄るところあるから、なるべく早く買う本を決めちゃおう」

「寄るところ?」

プンは首を傾げた。


僕は昨日のクリフの話をプンにした。

「え?」

「プンはぺペンに贈り物してる?」

「いえ、してないです」

「じゃあ、買ってあげるのはどう?」

「いいんですか?」

「うん。島でこれからも頑張ってもらうけどね」

「はい。全力で頑張ります!」

「じゃあまずは本屋だね」

「はい!すぐに選びます!」

僕とプンは本屋へ向かった。



▽ ▽ ▽



今日も朝から島に来ている。


プン夫妻は予想通り、顔が緩みまくっていた。

ぺペンは首にきれいなネックレスがついていた。

当然、プロールの指にはダイヤがついた指輪をつけていた。

クリフ夫妻も2日連続で顔が緩んでいた。

この島を支える2つの家族が仲睦まじいのはいいことだ。


そんな4人を横目にザンが報告にやってきた。

「昨日もサハギンが現れました。数は少なかったですが、3回も現れました」

「え?そんなに?」

「はい。やはり、島の近くに大きめの巣があるかもしれません」

「それって探せないよね?」

「はい。どのくらい深いところにあるかもわからないので難しいと思います」

「うーん。じゃあやっぱり防衛を固めないとダメかもね」

「わかりました。島に被害が起きない方法をこちらでも考えておきます」

「よろしくね。てかそろそろ行こうか」

「はい!デルンを連れてきます」

ザンはそういうと自分の家に向かっていった。


▽ ▽ ▽


家を出発しようと思ったら問題があることに気づいた。

ザンの角や尻尾などを隠す方法がなかった。


「ザン。羽根みたいに尻尾とかをしまえたりしないよね?」

「できないです……」

ザンは申し訳なさそうに言った。


「そうしたら、ザンは車で待ってもらうことになるけど大丈夫?」

「はい。大丈夫です」

ザンは落ち込んでいた。


するとその様子を見ていた小町が口を開いた。

「ザンは日本刀が見たいんだよね」

「はい!」

「ならお店で写真を撮っていいか確認して、もし大丈夫なら私が車に残るよ」

「え?」

「哲ちゃんが写真を私に送ってくれれば、その写真を見てザンも日本刀を見れるし、欲しいのものも写真から選んでもらえばいいし」

「おー!なるほどね!」

僕達は小町の案で行くことに決めた。



ネットで調べた店に到着した。

「なんか緊張しちゃうな」

妙な高級感に少し緊張した。


店内には様々な日本刀が飾られていた。

僕は店員さんに写真の許可を取った。

少し怪しんでいるようだが問題なさそうだ。


「おー。すごい」

デルンは目を輝かせながら日本刀を見ている。

僕も写真を撮りながらいろいろ見て回った。

値段は60万~500万ほどで、いろいろな種類があるみたいだが漢字が多すぎてわからなかった。


日本刀は美術品扱いらしい。だがその理由がうなずけるほど刀身も鞘も美しかった。

ピロン!

携帯が鳴った。


「ん?うっすら緑色のやつが気になる?あっこれか」

ザンは研出皮鮫塗鞘の刀が気に入ったらしい。

鮫?皮?

たぶん名前の通り鮫の皮を加工したのだと思われる。


「なんでうっすら緑なんだろ。色加工とかもあんのか?」

未知の世界すぎて全然わからなかった。


「デルンは何か気になるものあった?」

「これが気になります」

デルンが指差したのは若狭という鞘の刀だった。

「わかった!買っちゃおう!」


僕はすぐに現金で支払いを済ませた。

やはり取り扱いに気を付けないといけないみたいで、数分店員さんの説明を聞くことになった。


▽ ▽ ▽


島に戻ってきた。


ザンとデルンは自分の刀を嬉しそうに眺めていた。

そして僕の手にも1本の刀がある。

誘惑に負けて、自分の分も買ってしまった。

僕のは黒に金色の糸のような模様が入っている鞘の刀だ。

店で僕の男心をくすぐってきやがった。


「緊急時以外使用禁止だからね」

「「はい!わかってます!」」

「あと、一応マジックアイテム化してないか見させて」

僕はサングラスをかけ、購入した刀を見た。


3本全部に強度上昇(高)・威力上昇(高)・劣化防止・召喚可がついていた。

しかも名前を決められるみたいだ。


「あー刀の名前を付けてあげないといけないみたい」

「わかりました。いい名前を付けようと思います」

「1晩考えます!」

だいぶ高い出費だったが、ザンもデルンも喜んでくれてよかった。



僕は自分の刀に名前を付けることにした。

すると小町がやってきた。

「哲ちゃん。何してるの?」

「今日買った日本刀がマジックアイテムになったから、名前を付けようと思って」

「えーいいね!じゃあ金色のラインが入ってるから金鍔で!」

「え?」

僕はサングラスを使い、刀を見た。


○金鍔(日本刀)

 強度上昇(高)・威力上昇(高)・劣化防止・召喚可


「あー。また僕の武器が甘味になってしまった」

「可愛くていいと思うよ」

「まあ漢字で登録されただけいいか」


今度新しい武器に名前を付けるときは、小町がいないときにつけよう。

僕はそう心に決めた。


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