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3.買い物デート

僕と小町は車で1時間ほどの場所にあるショッピングモールに来た。


「哲ちゃん。2人でお出かけ久しぶりだね」

「そうだっけ?」

「そうだよ。だから今日はお買い物デートね」

僕の目から涙があふれた。


「え?何で泣いてるの?」

「いや、僕の妻はかわいいなって思って」

「哲ちゃん。大好きだけどさすがにキモいよ」

「うっ!」

「ふざけてないで行くよ!」

僕は小町に引っ張られた。


最初はホームセンターだ。

「ポリタンクどれくらい買う?」

「うーん。とりあえず20Lのやつを10個にしようか」

「そうだね!カゴに入れるよ!」

小町はどんどんカートに乗せていく。


「全然乗らないね。ノートに書いてあったリュックを持ってくればよかったね」

「忘れてた。こっちでも使えるって書いてあったもんね」

「ポリタンク以外何が居るかな?」

「ちょっと見て回るか」

「うん!買い物デート楽しいね」

僕はまた泣きそうになったが、キモいと言われたくないので我慢した。

適当に何個か商品をカートに入れて会計を済ませた。


「さすがに持って移動は大変だから、車に置きに行ってくるよ」

「うん。私は?」

「どこか見てていいよ。電話するから」

「おっけー」

僕は駐車場に行き、荷物を車につっこんだ。


スマホで小町に電話を掛ける。

「もしもし」

「2階にいるよ」

「何の店?」

「水着!」

「え?」

「だって!海綺麗だったよ」

「わかった。僕は釣竿見てくるね」

「えー来ないの?」

「号泣してもいいなら行くけど」

「終わったら電話するー」

電話は切れた。


僕はアウトドアショップに行き、釣竿をおすすめされたものを2本購入した。

釣竿が思ったより高くて焦ったが、必要経費だ。

そのあと酒専門店に行った。何を選ぶかで今後の動きが変わると思い、有名国内ブランドの数十年もののウィスキーを買った。20万もするとは。

「次はどこを見ようかな。てか島の家を見てから来るべきだったな」


ブーブーブー

スマホが鳴った。


「もしもし」

「哲ちゃん!水着買ったよ。哲ちゃんの分も」

「ありがと。釣竿とお酒は買った」

「あと何買う?」

「うーん。正直思い付かない」

「じゃあ服見てもいい?」

「いいよ。釣竿とお酒を車においてから行くね」

「はーい」

電話が切れた。


僕はまた駐車場で荷物を置いて、小町が行くであろう服屋に向かった。


「やっとみつけた。なんでメンズ服の場所にいるの?」

「哲ちゃんの服を見てたんだよ」

「僕は良いよ。小町は自分の買ったの?」

「買った!あとこれも買う」

小町はサングラスを持っていた。


「え?似合うとは思うけど、いる?」

「哲ちゃん用だよ。これくらい色が薄い奴なら普段使いできるよ」

「似合うかな?」

「かけてよ」

僕は渡されたサングラスをかけた。


「どう?」

「かっこいいよ!絶対買おう」

「わかったよ」

小町は会計をしに行った。

久々にかっこいいと言われてものすごく嬉しかった。


▽ ▽ ▽


僕達は家に帰ってきた。

「どうする?昼ご飯食べてないから、早めに夕ご飯にする?」

「小町が平気なら、島に行きたいなーって思うんだけど」

「行く!!」


僕達は倉庫の中の空間に購入したものを置いた。

「さすがにこれ全部はまだ持って行かなくていいよね?」

「うーん。大丈夫!」

「じゃあポリタンクを2つとお酒だけ持って行こう」

「はーい」


変換機にポリタンクを2つとお酒を入れて、緑のボタンを押した。

貯金残高が¥1,000,000になった。

「結構減ったね」

「そうだね。タコさんに期待だね」

「本当にね」

今日の出費を考えると、お酒作戦がうまくいかなかったらカードの支払いがやばいくなる。

僕は神に祈った。


僕と小町はポケットに入っている細かい物をテーブルに置き、扉を通った。

今後はスマホや鍵も変換しとかないと、間違って通って無くなったら困る。


「じゃあお部屋探検しよう」

「そうだね。まずは2階から行こう」


リビングから階段を上がる。吹き抜けがまじでいい感じの家だ。

手前の部屋のドアを開けると、何もない部屋だった。


「ここをなんか有意義に使いたいね」

「そうだね。なんか考えよう。この隣の部屋が寝室か」

小町が走って隣の部屋のドアを開いた。


「えーおしゃれだよ!」

中を見るとキングサイズのベッドに間接照明。

外側の壁はガラス張りで、バルコニーに繋がっている。

「ねーカーテンのセンスもいいよ。四宮さんやばいね」

「本当にリゾートホテルみたいだ」

「飛び込んでいい?」

「だめ、掃除してからね」

「はーい」

家もそうだが、四宮さんのセンスは本当に良かった。


「次は1階行くよー」

小町に引っ張られ、階段を下りる。


「リビング!テレビ映るのかな?」

小町はテーブルの上に置いてあったリモコンをいじるとテレビが付いた。

だが黒い画面しか映らない。


「さすがにダメみたいだね」

「えー」

「あっ!DVD&BDプレイヤーがある」

「そしたら映画が見れるじゃん!」

「そうだね。落ち着いたら見よう」

「うん」

リビングのインテリアのセンスも最高だった。


「部屋行く?」

「そうだね。マジックアイテムってやつを確認したいし」

1階の部屋のドアを開けると、中には棚が数個あった。

四宮さんが居た時は整理されていたのだろう。


「これが掃除機だよね?」

小町が円柱型の自動掃除機を持ち上げた。


「そうだね。リビングにあったコンセントに充電場所を指して、ボタンを押せば動き出すはず」

「やってくる!」

小町は掃除機をもってリビングへ行った。


部屋を見るとルアーがあった。

こう見るだけだと普通のルアーだ。今度使ってみよう。


棚の横にはリュックが引っかけてあった。

「これがマジックバッグか。完全に女性ものじゃん」

中を開けると底が見えなかった。


試しにルアーを入れるとバッグの奥に消えていった。

「どうやってとるの?」

腕を突っ込むと頭の中にリストみたいなのが浮かんだ。

ルアーを考えながら手を引き抜くと、ルアーを掴んでいた。


「これはすごい。だけどカバンの口のサイズ的にポリタンクとか入らないだろ」

持っていたポリタンクをカバンに入れようとすると、なぜか入った。

むしろ入れようと思った瞬間にポリタンクが消えた。

取り出すときも、突然現れたみたいだ。

これがマジックバッグか。


部屋の奥のクローゼットを開けた。

壁に格子がつけられていて、エアガンが3つ引っかけてあった。

下には小さな棚があって、カバーが付いたナイフが10本ほどあった。

「これを試すのはだいぶ後にしよう」

さすがに銃を扱うのは少し怖かった。


「哲ちゃん!!」

小町の叫び声が聞こえた。

「小町!」

僕は焦った。走ってリビングに向かうと、僕は膝から崩れ落ちた。

物凄くリビングが綺麗になっていて、小町がはしゃいでいた。


「小町、叫ぶならもうちょっと声色を嬉しそうにしてくれ。モンスターが居たのかと思って焦ったよ」

「だって見てよ!マジックアイテムってすごいんだもん!」

小町が指を指す方向を見ると自動掃除機が動いている。


「音が全然しない。掃除してるのか?」

「見てて」

自動掃除機がキッチンに入って行くと、半径5mの範囲が一気に綺麗になる。

キッチンを一周し、宙に浮いて階段を登って行く掃除機。


「これは絶対当たりだろ。四宮さん」

「だよねー。キッチンも見ていい?」

「良いよ。その前にこれ!」

僕は咄嗟に持ってきた、マジックバッグを渡した。


「えーこれリュックだけどブランド品だよ。これがマジックバッグ?」

「そう。あとで使ってみて」

「うん。まさか私が持ってるバッグで一番高いであろうものが男性のおさがりになるとは」

「今度誕生日に買う?」

「いらなーい」

小町の反応がかわいすぎた。


「キッチン見ようよ」

「うん」

キッチンはアイランドキッチンってだけでおしゃれ。

冷蔵庫もデカいし、IHヒーターにオーブンもついているし、食器乾燥機もあるとは。

どの電化製品も8~6年前の型だった。四宮さんがここをリフォームしたのは8~6年前なのだろう。


「ねー哲ちゃん」

「ん?」

「冷蔵庫もマジックアイテムじゃない?」

「え?」

冷蔵庫の中を見ると、奥が見えない。


「多分そうだね」

「だよね。頭にリスト出てきたよ」

「なんも入ってないでしょ?」

「ブラックサーモンの切り身っていうのが入ってるよ」

「え?腐ってそう」

小町は冷蔵庫からブラックサーモンの切り身を取り出した。


「新鮮そうじゃない?」

「そうだね」

「アニメとかだとマジックバッグの中って時間経過しないよね」

「そういうもんなの?」

「そういう場合もある」

「なるほど。今度何か持ってきて検証しよう」

「うん」

小町は異世界ものを少し見ているみたいで僕よりかは詳しかった。


「それじゃあ、私達の生活がかかっているタコさんに会いに行きますか」

「いこうか」


僕達はポリタンクとお酒をマジックバッグに入れ、家を出た。


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