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37.ロマンと違和感

サハギンが島に上陸するようになってから3日経った。

あれからも毎日数体は上陸してきた。


僕は対策を講じるため、サハギンが現れた日に下平店長にメールを入れておいた。

内容は親戚がサバゲにはまったので、追加でエアガンの購入をしたい。性能とロマンがあるエアガンをいい塩梅で用意してほしい。

下平店長はすぐにいい返事をしてくれた。


なので今日は小町とドグドとアデスを連れて、下平ミリタリーショップに向かった。

3人は射撃場で試し打ちがしたいみたいなので、渡してあるエアガンも一緒に持っていくことになった。


▽ ▽ ▽


「お待ちしてましたよ、五十嵐さん」

下平店長はニコニコで迎えてくれた。


「すみません。なんか無茶ぶりみたいな発注してしまって」

「いいんですよ!私も楽しんで準備しました。ところでそちらは親戚のお子さんですか?」

下平店長はドグドとアデスを見て、問いかけてきた。


「いや、この子たちは僕達の子供です」

「そうなんですか!お子さんがいらっしゃったのは知りませんでした!」

「ははは。実は居たんですよー」

さすがに無茶がある話だったが、下平店長は信用してくれたみたいだ。


「今回はお子さんの分も?」

「はい。そのつもりです」

「わかりました!ロマン多めで用意いたしましたよ」

下平店長はどや顔でそう言った。



小町達は射撃場で時間をつぶしてもらっていた。

ドグドとアデスも自分のハンドガンを使ってみるみたいだ。


僕はその間に店長にロマンを見せてもらうことにした。


「まずはこちらです」

下平店長は1品目を取り出した。


「これはポンプアクション式のショットガンです」

「おー!」

「映画とかゲームで見たことありますよね?」

「はい!」

「ちょっと装弾は大変なんですが、同時に7発発射されます」

下平店長は装弾と発砲を見せてくれた。


「このガチャってやる動作と、弾がここから出てくるのがロマンじゃないですか?」

「さすがです」

下平店長は満足そうにしていた。


「次はこれです。ピストル型グレネードランチャーです」

「え?グレネードランチャー?」

下平店長が取り出したエアガンは小さいが、銃口が広くなっているものだった。


「グレネードランチャーといっても、エアガンなので大量の弾が広範囲に出るだけなんですけどね」

そういいながら大きい弾のようなものにBB弾を詰めていく。


「これが発射されて、着弾と同時に破裂したりしたら面白いんですけどね」

「実際は?」

「60発の弾が出るだけです。でもこの大きな弾を装弾するのはロマンですよね?」

「ロマンですねー」

「まあエアガンなので、ショットガンみたいな使い方になりますね」

「なるほど」

僕はピストル型グレネードランチャーを構えてみた。

「これはかっこいい」

「ですよねー。そしてこれが、60発×6発装弾できるグレネードランチャーです」

下平店長はものすごいごついものを取り出した。


「かっこいい」

「ですよね。これも大量の弾が広範囲に発射されるだけですが、撃つたびに弾を入れる部分が回るのがかっこいいんですよ」

「いいですね。サバゲでこれを使う人っているんですか?」

「ははは。あまりいないですね。まあロマンですから」

「そうなんですね」

「五十嵐さんはロマン多めがお好きだと思ったので」

「大好きです」

下平店長は僕のツボをしっかり押さえてくれていた。


「そして最後はこちらです」

先ほどのグレネードランチャーよりもごついものが現れた。

「これは?」

「ミニガンです」

「なんか中ボスあたりが持ってそうな銃ですね」

「そうですね。2000発装弾できて、一気に連射することができます」

「え!?」

「これは実際に射撃場で見てもらった方がいいかもしれませんね」

僕達は射撃場に移動をした。


射撃場では3人が自分のエアガンを撃ちながら楽しんでいた。

「パパ!それなに?」

ドグドは下平店長が持っているミニガンに興味を示した。

「撃ってみるかい?」

「いいの?」

ドグドは僕の顔を見た。

「いいぞ。下平店長の言うことをちゃんと聞くんだぞ」

「うん!」

ドグドは下平店長についていった。



ミニガンの威力はものすごかった。

下平店長は反動でドグドが倒れないように身体を支えてくれていたが、

ドグドは微動だにせず2000発撃ち切った。

さすが巨人族。身体を小さくしてステータスが下がってはいるが、エアガンの反動なんかには負けないようだ。

ドグドと下平店長の様子を見ていたら、違和感を感じた。

「あれ?なんか変だぞ?」


僕が違和感の原因について考えていると、アデスが下平店長のもとへ向かった。

「僕もやりたい!」

「うん。やってみようか!五十嵐さんいいですか?」

「はい!お願いします」

アデスちゃんもミニガンを試し撃ちを始めたが、反動とミニガンの重さにギブアップしてしまった。


消えない違和感。

「うーん。なんだこの違和感」

悩んでいると、小町がやってきた。

「ねー哲ちゃん」

「ん?」

「ドグドとアデスが下平店長と話してるんだけど」

「うん。ミニガンを撃たせてもらってるんだよ」

「いや違うよ!」

「え?あー!」


僕は小町のおかげで違和感の原因がわかった。

今までは日本語を聞き取れないし、日本語を喋れなかった2人が下平店長と会話をしていた。


「え?いつから?」

「わかんない。でもDVDを見たときは聞き取れなかったよね?」

「そうだよね…」

違和感の原因は分かったが、謎が増えてしまった。


「これは島に戻ったらいろいろ確認しないとね」

「そうだね」


▽ ▽ ▽


僕達は下平ミリタリーショップを後にした。


今回購入したのはポンプ式ショットガン3丁・ピストル型グレネードランチャー2丁・グレネードランチャー1丁・ミニガン3丁。

下平店長はしっかりアタッチメントや弾も多めに用意してくれていた。


「買いすぎちゃったかな」

「まあいいじゃん!モンスターが出たときに使える武器になってくれたらいいなー」

「そうだね」

ドグドとアデスは後部座席で仲良く寝ていた。


今日ははしゃぎすぎたみたいだ。



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