29.おもちゃ
昼過ぎに4人で別荘に向かった。
変換部屋で買ったものをすべて変換した。
「「え?」」
僕と小町は驚いた。
残高が一気に減った。
ディスプレイには¥108,189,120になっていた。
「船を変換した時くらいお金無くなったよ」
「え?何が原因だ?」
僕は買ったものを思い出した。
たぶん当たりのマジックアイテムになったのは、グローブとステッキだろう。
それ以外過剰な能力が付くものが想像できなかった。
まさか作品と同じ能力が付くとかないよな。
「とりあえず島で確認しよう」
「うん」
僕達は別荘へ向かった。
僕達は広場予定地に付いた。
周りを見渡すと、みんな仕事をしていた。
「よし。じゃあアデス、グローブとステッキを出してくれない?」
「うん!」
アデスは自分のリュックからグローブとステッキを出した。
僕はサングラスを掛けて見てみた。
○ブラックグローブ
強度上昇(超)・原作能力付与・サイズ自動調整
○クロデコステッキ
強度上昇(超)・原作能力付与・召喚可
「小町。やっぱりこれだ」
「ほんとに?」
「『原作能力付与』ってのがついてる」
「あー。すごいね」
僕と小町は呆れていた。
それを見たアデスが口を開いた。
「原作能力付与ってなに?」
「えーっと昨日見たDVDで使ってた能力が使えるの」
「「えー!」」
ドグドとアデスは驚いていた。
「試してきていい?」
「いい?いい?」
2人は興奮していた。
「良いけど、やりすぎ注意ね」
「「はーい!」」
ドグドとアデスは海の方へ向かって行った。
「僕らは残りのアイテムを確認しよう」
「うん。じゃあ出していくね」
小町はバッグからガゼボ・ソファ・チェア・テーブルを出した。
僕はサングラスで見た。
○やすらぎのガゼボ
強度上昇(高)・精神安定(高)・疲労回復(高)・サイズ変更可
ガゼボ以外は強度上昇しかついていなかった。
「ガゼボだけいろいろついてたよ。サイズ変更がついてるからみんなで使えるね」
「よかった。ってことはやっぱりグローブとステッキの変換にお金かかったみたいだね」
「そうだね」
「じゃあ私は食材とかしまってくる―」
小町は別荘に戻って行った。
僕はガセボやソファなどを設置していった。
設置していると、ダルン達が集まってきた。
「テツジ様。これは?」
「なんか小町が別荘とみんなの家の間に広場を作りたいんだって。みんなでご飯食べれる空間にしたいみたい」
「なるほど、じゃああとは我々が引き継ぎますよ」
「ほんと?ありがとう。僕じゃおしゃれにできないから助かるよ」
ダルン達と話していると、叫び声が聞こえてきた。
「えーーーー!!」
小町の叫び声だ。
僕はすぐに別荘の中に向かった。
「クッキー&クリーム!」
僕の手には2丁拳銃が現れ、構えると小町の周りに3体のモンスターが居た。
「あれ?」
良く見てみると、今日買った3体のぬいぐるみが動いていた。
「どういうこと?」
僕は小町に問いかけた。
「食材を冷蔵庫に入れて、ぬいぐるみを出し忘れてたのに気付いて出したらこうなってたの」
「なんだそれ」
僕はサングラスでぬいぐるみを見た。
○名称未設定
強度上昇(高)・意思疎通可・戦闘可・サイズ変更可・学習機能・主人未設定
○名称未設定
強度上昇(高)・意思疎通可・戦闘可・サイズ変更可・学習機能・主人未設定
○名称未設定
強度上昇(高)・意思疎通可・戦闘可・サイズ変更可・学習機能・主人未設定
「ゴーレムになってるみたい」
「え?」
「主人を設定しないといけないらしい。どうする?」
「うーん。哲ちゃんでいいんじゃない?」
「わかった。やってみる」
僕はぬいぐるみに触れて念じた。
するとぬいぐるみは一瞬光った。
「これでいいのかな?」
「できた?」
「た、たぶん」
僕はぬいぐるみ達に名前を付けることにした。
ゾウはエレ・キリンはジラ・パンダはマオと名付けた。
「エレ、ジラ、マオ。この島にいるみんなを紹介するね。紹介する人には危害を加えちゃダメだからね」
3体は頷いて僕と小町について来た。
別荘を出るとみんなが集まっていた。
手には銃が装備されていた。
「大丈夫ですか?ダルンから悲鳴が聞こえたと聞いて…って後ろのは一体」
クリフはエレ達を見て驚いていた。
「実は僕の世界でぬいぐるみを買ってきたらゴーレムになっちゃったんだよ」
「「「ゴーレム?」」」
みんなは驚いていた。
「戦闘能力もあるみたいだから間違ってみんなを攻撃しない様に紹介しようと思ったんだけど、みんないる?」
「ドグドくんとアデスちゃんが居ませんね」
「あーあの2人はたぶん」
ドゴーン!
ビーチの方からものすごい音が聞こえてきた。
「多分あそこだ」
ビーチを見ると巨大なステッキが砂浜に刺さっていた。
その上には飛んでいるドグドとアデスの姿があった。
▽ ▽ ▽
みんなを集めた。
当然オクトンやピュアスライム達もだ。
エレ達の事やグローブとステッキの事をちゃんと説明をした。
「なるほど。テツジ様はやっぱりすごいですね」
クリフはあきれているのか褒めているのかわかんない反応だった。
「とりあえず、ドグドとアデスはその武器を使うのは禁止!」
「「えー!」」
ドグドとアデスは不満そうだった。
「危ないからダメ。ビーチだってあんな大きな穴ができてるんだよ?」
「「わかったー」」
2人はなんとか納得してくれたようだ。
するとザンが口を開いた。
「テツジ様、自分が2人の武器の扱いを教えましょうか?」
「え?」
「自分なら戦闘の指南役もできると思うのですが」
僕は少し悩んだが、ザンがやりたそうにしているので任せてみることにした。
「じゃあお願い。ビーチみたいに地形を壊さない様にお願いね」
「はい!任せてください!」
ザンは嬉しそうだった。
「2人もザンの言うことをちゃんと聞いてね」
「「はーい!」」
2人も嬉しそうにしていた。
あとはエレ達の確認だ。
「エレ、ジラ、マオ。サイズ変更ってどれくらいになれるの?」
僕がそう言うと3体は2倍のサイズに大きくなった。
「うわーすごいな。小さくもなれるの?」
エレ達は頷くとどんどん小さくなり、30cmくらいの一般的なぬいぐるみのサイズになった。
「エレ達はそのサイズで生活するのはつらくない?」
エレ達は頷いた。
「じゃあ基本はそのサイズで生活して。なにか僕達がお願いをするまでは自由に過ごしていいからね」
エレ達は頷くとバラバラに動き始めた。
「よーし。とりあえずは落ち着いたか」
「そうだね。今回はだいぶ当たりの変換だったね。あー買った服をみんなに渡しに行かなきゃ」
小町はそういうとみんなのところへ向かって行った。