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24.釣りと変異種

アデスちゃんの召喚したポイジーをみんなに紹介した。

最初は驚いていたが、みんなはすぐに順応した。

分裂したポイジーを手の上に載せたりしてかわいがってたりしていた。

ビックリしたのは、分裂したポイジーがシゲ爺に群がっていたことだ。


「ほほ!これは効くのう」

ポイジー達はシゲ爺の身体を刺しまくっていた。

特に腰や肩などを。

シゲ爺はエクストラスキルで全盛期のステータスにはなったが、身体の節々の痛みは少し残っていたみたいだった。


「これで明日からもがんばれそうじゃ。ありがとなアデスちゃん、ポイジー」

シゲ爺はアデスちゃんの頭を撫でた。

アデスちゃんは喜んでいた。



▽ ▽ ▽



翌日、僕は釣りをすることにした。


荷物部屋で放置していた釣竿とマジックアイテム化したルアーを持ってきた。

メンバーはドグドくんと2人だ。


「ドグドくん。釣りの仕方はわかる?」

「わかんない」

「まずここにこの魚の形をしたものを付ける」

「うん」

ドグドくんは僕がやっていること真似していた。


「こうやって投げる」

「うん」

ドグドくんがルアーを僕より遠くに投げた。

ステータスが4分の1になっていても、僕よりパワーがあるみたいだ。


数秒待つと、魚が食いついた。

「思ったより早いな。魚が食いついたら、この部分を回して引っ張るんだ。魚が引っ張っているときに巻いちゃうと紐が切れちゃうから気をつけて」

「うん」

僕はハンドルを回すが、魚の力が強い。


悪戦苦闘していると、隣にいたドグドくんが釣り上げた。

「ねえパパ。連れたよ」

「おーすごいね。僕も釣るから待ってて」


待っててと言ってから、釣れるまで5分かかった。

しかも釣れた魚はドグドくんが釣った魚より小さかった。

「パパもすごい!」

ドグドくんは釣った僕を褒めてくれた。

優しい子だ。


僕達はそのあと釣りを続けた。


▽ ▽ ▽


2人で釣れた魚は40匹近かった。

食べれそうなものから、毒のありそうなものまであらゆる魚を釣った。


「お?どうです?釣れましたか?」

ザンがやってきた。

「釣れたんだけど、どれが食べれるかわからないんだよね」

「あーこれは大漁ですね。えーと、食べれるのは」

そういうとザンが食べれる魚と食べれない魚、あとリリースした方がいい魚を分けてくれた。


「食べれるのはブラックサーモンが2匹、ホワイトサーモンが3匹、ソードフィッシュが1匹、ストロングツッオ1匹、あとはリトルサーバが10匹ほど」

「ありがとう、ザン」

「いえいえ」

釣った魚を3人で別荘に持ち帰り、外に出るとクリフが走ってやってきた。


「テツジ様!大変です!」

「どうしたの?」

僕はクリフの焦りように驚いた。

服もちゃんと来ていない状態で走ってくるクリフに緊急事態だとすぐに分かった。


「スライムの変異種が現れました。しかも数体です!」

「変異種?」

隣にいたザンが説明してくれた。


「モンスターは進化をすることがあるのですが、知られている進化以外の進化をしたものを変異種というんです」

「なるほど。それが現れたってことか」

「そうみたいです」

「テツジ様、来てください」

「うん」

僕達はクリフについて行った。


▽ ▽ ▽


クリフに連れられてきたのは、みんなが使っているトイレだった。

ダルン達が簡易的な小屋のようにしていた。


「それでスライムの変異種は?」

「トイレの中です」

なるほど、クリフがちゃんと服を着れていない理由が分かった。


僕はトイレに向かった。

「クッキー&クリーム!」

手に銃が現れた。


トイレの扉を開くと、見たことのないスライムが居た。

普通のスライムは透明で薄い青っぽい色をしているが、トイレにいたスライムは透明で濃い白色だった。

しかも見たことあるスライムより少し大きかった。


「え?」

驚いたのは見たことのないスライムが居たからではなかった。

トイレの中がものすごく綺麗だったからだ。

このトイレに入るのは初めてだったが、別荘の中のような綺麗さだった。


「ねークリフ。このトイレって元からこんなにきれいなの?」

「いえ、汚くはありませんでしたが綺麗でもないはずです」

「なんで?」

白いスライムが僕の足元に近づいてきた。

すると、靴についていた汚れが消えた。

「え?クリーン?」


僕は時々アデスちゃんがトイレにクリーンをかけてるという話を思い出した。

「スライムにクリーンを定期的に使うと変異種に進化したりする?」

「いえ、わかりません」

「多分だけど、この子達は害がなさそう」

「「「え?」」」


僕は白いスライムに手を振れた。

痛くもないし、溶けもしない。むしろ綺麗になってる。

「この子をテイム出来たらなー」

そうつぶやくと、トイレの穴の中から9体の白いスライムが出てきた。


「そうか、数体って言ってたもんな。てかダルンが入れたスライム全部が変異種になってるじゃん。この子達もテイムしたあげたいけどな」

僕はトイレを出て、3人の元へ戻った。


「パパ平気だった?」

「うん。問題ないよ。たぶん害がないから、森に逃がしてあげて」

「「わかりました!」」

「うん!」


僕は別荘に戻ろうと歩き出した。

するとクリフに呼び止められた。

「テツジ様!」

「うん?なに?」

振り返ると白いスライム達が列を作って僕の後ろに並んでいた。

「懐かれた?」


▽ ▽ ▽


白いスライム10匹はしっかり僕がテイムしていた。

ステータスを見て判明した。

白いスライム達はピュアスライムという種類みたい。

まだ見分けがつかないが、名前を10匹に付けた。

ユキ・クモ・モチ・シオ・サトー・トーフ・ミルク・パール・バニラ・ヨーグルという名前にした。


みんなにピュアスライム達を紹介して、クリフとダルンと今後の事を相談した。


「トイレにスライムを使い、クリーンをかけるとピュアスライムがどんどん生まれちゃうかもしれない」

「そうですね」

「今は無害だし、僕がテイムしたから何とかなっているのかもしれない。だから今後は今いるピュアスライム達がまとめて掃除ができるように地下を上手く作るか、僕の世界からトイレを持ってきてマジックアイテムになるのを期待すかだと思うんだよね」

「そうですね。地下にそういう空間を作るのは可能ですが時間がかなりかかります。なので一度、テツジ様の世界のトイレを持ってきてもらえますか?」

「了解。今すぐ買いに行ってくるよ」

「ありがとうございます」


僕は急いで家に行き、車に乗ってトイレを買いに行った。

店員に自分で設置すると言ったら、だいぶ変な顔をされたが無事購入することができた。

それをマジックバッグに入れて、別荘に運んだ。


「よし、マジックアイテムになってろー!」

別荘でトイレを取り出して、サングラスで確認をしてみた。


○マジックトイレ

強度上昇(高)・自動クリーン・自動消臭・水タンク容量拡大(中)


「よし。でも試してみないとわからないよな」

人に試させるわけにもいかず、僕は荷物部屋にトイレを設置し、ポリタンクで水を入れて使用してみた。

羞恥心でなかなか使用できなかったが、何とか使うことができた。

汚れも匂いも全くない新品の状態になっていた。

水を流しているが、どこに水が行ったのかわからなかった。

タンクを見てみると、水が減っていない。


「流れた水にクリーンがかかって、タンクに戻ってる?別荘にあるトイレは一応は排水してるから、上位互換になった?」

僕はマジックバッグにトイレを入れ、ダルンの元へ行った。


「トイレがマジックアイテム化したよ」

「本当ですか?」

「これで各家に設置できそうだね」

「そうですね」

トイレ問題が解決したので、ピュアスライム達には好きなようにしていいと指示を出しておいた。


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