22.木材調達
昨日下平店長の知り合いの木材屋からメールが来ていた。
明後日木材屋に伺うことになり、僕は家の庭のガーデニングを撤去していた。
「さすがにマジックバッグに直入れはまずいもんな」
今後大型の何かを島に持って行くときに、庭を一時的な置き場として使えるようにしようと考えた。
「本当にいいの?」
小町が聞いてくる。
「うん。まあ田んぼが落ち着いたら、島で畑も作れると思うしね」
「そっかー。その時は手伝うよ」
「ありがと、小町」
僕の妻はもの凄く優しくて聖母のようだった。
「今日はシゲ爺とがっつり田んぼをやるんだっけ?」
「うん。今日明日で貰ってきた土と島の土を混ぜて床土を作って、畦塗りまでできたらなーって思ってる。島の土はだいぶ特殊みたいで、土を作るのがだいぶ楽みたい」
「了解。僕は庭の撤去と掃除をして、明日は木材屋に言って話を聞かないとだから手伝えそうにないや」
「うん。わかった!まあ別荘行く前にカバン買いに行くんだけどね」
「え?」
「みんなにもマジックバッグが必要かなって」
「なるほど」
「いろんな種類のバッグ買ってくるね」
「わかった」
小町は車で出かけて行った。
▽ ▽ ▽
「やっと終わったー」
僕はほぼ1日かけて庭の掃除を終えた。
これで木材を積んでも問題ないだろう。
僕は家の中に入り、風呂に浸かった。
「風呂とかも用意してあげないとなー。あとトイレも」
クリフにトイレはどうしているか聞いてみたところ、簡単な方法は穴を掘ってそこにスライムを入れると言っていた。スライムは何でも食べるから処理してくれて、エルフの村では一般的だったらしい。
別荘のトイレを使っていいと言ったが、さすがに奴隷の立場だから使えないとのことだった。
因みに別荘のトイレはクリーンの効果が付いているので、形式的に水を流す仕様になっている。
風呂から出て、パソコンで外に置ける風呂やトイレを探してみた。
「うーんやっぱり排水と風呂を沸かすのが大変そうだよな。当たりのマジックアイテムになればいいんだけど」
俺がいろいろ調べていると小町が部屋に入ってきた。
「哲ちゃん。仕事中?」
「ううん。ちょっといろいろ調べもの」
「今日いろいろやったけど、2ヘクタールの田んぼにすることにした」
「おーだいぶ広いね」
「あとおじいちゃんが持ってきた土と島の土を混ぜたんだけど、予想通りいい土になったって言ってた」
「普通もっと時間がかかるもんだよね」
「うん。あとクリフ達が言うには、あの島の土は魔力をだいぶ含んでいるから成長が早くなるかもだって」
「そうなの?」
「稲がそうなるかはわからないけど、もしかしたら年間で2~3回くらい収穫できるかも。まあ土の栄養問題があるからまだわかんないけどね」
「なるほど。いろいろと楽しみだね」
「うん」
小町は本当に楽しそうだった。さすが『米マイスター』を取得してるだけはあった。
「哲ちゃん、早く寝よ」
「そうするか」
僕は小町に連れられ、寝室に向かった。
▽ ▽ ▽
僕は車で家に帰宅した。
今日は午前中から木材店に行き、変に怪しまれながらも乾燥済みの木材を大量発注した。
在庫にあるものをほぼすべて現金で購入すると言ったら、上機嫌になってすぐに話は進んだ。
さすがに1回じゃ運びきれない量なので、5回に分けて運んでもらうことにした。
色々嘘をついていたら、辻褄を合わせるためにそういう流れになってしまった。
第1陣は今日の夕方到着で、それ以降は2日空けて届くことになっている。
僕は別荘に行かず、家で待つことにした。
数時間後、木材が到着した。
「本当にここに置いて良いんですか?」
「はい。すぐ積み込むトラックが来るので」
「わかりました。放置するといろいろ問題になるので気をつけてくださいよ」
「大丈夫です!」
木材屋が心配していたが、木材を積み下ろして帰って行った。
僕は昨日小町が買って、マジックバッグになったバッグに木材を入れた。
マジックバッグになったのは4つで、肩掛けのウエストポーチ・ボストンバッグ・ダレスバッグ・子供用リュックだ。
子供用リュック以外は、革製でだいぶ高いと思われた。
俺は肩掛けのウエストポーチを貰うことにし、他のバッグはとりあえず荷物部屋にいれた。
変換部屋に行き変換を済ました。
「こんなに減るかー」
貯金が¥376,210,040になっていた。
まさかの1億以上減っていた。
バッグでだいぶ持っていかれたのだろう。
木材を変換する前からだいぶ減っていた。
「宝石を回収しといて良かった。てかこのあと木材が同じ量で4回来るけど足りそうで安心した」
俺はウエストポーチを背負い、別荘に向かった。
▽ ▽ ▽
別荘の外に出ると、田んぼを手伝っているダルンを見つけた。
「ダルン。木材持ってきたよ」
「本当ですか!!」
ダルンは走ってやってきた。
「家は何棟作る?」
「今のところ4棟の予定です」
「4棟?」
「クリフ夫妻・プン夫妻・俺ら兄弟とザン・シゲ爺様の家です」
「あれ?ザンはダルン達と同じ家?」
「案外気が合ってそういう話になりました」
「そうなんだ。あとドグドくんとアデスちゃんの家は?」
「あれ?小町様から聞いてませんか?テツジ様の家で暮らすと言ってましたが」
「小町がそう言ってた?ならそれでいいよ」
「はい。わかりました」
僕は小町の思いつきには何の抵抗が起きないくらい愛していた。
「場所は、田んぼの近くに育苗ということをする場所を作りたいとシゲ爺様が言っていたので、テツジ様の家と森の間に家を建てようと思っています」
「大丈夫?森が近いとモンスターとか」
「大丈夫です。森の伐採などもやりたいと思っているので出来るだけ近い方がいいです」
「わかった。家具とかはこっちで用意するよ。あと電気も使えるようにするから、別荘を参考にしてみて」
「わかりました」
僕は建築予定地の近くに木材を出した。
「良い木材ですね。いい家が作れそうです」
「それは良かった」
ダルンは弟達を呼び、話し合いを始めた。
▽ ▽ ▽
僕は少し疲れていたためオクトンを誘い、2人でリビングでお酒を呑んでた。
オクトンはいつものように缶ビールを開けていた。
「オクトンいつもありがとな。最近構ってあげれなくてごめんな」
キューキュー!
オクトンは気にするなって言っているようだ。
「そういえばこの前、モンスターをがっつり倒したぞ。オクトンが付いて来てくれた時よりなれたと思う」
キュー?
「おい。信じてないな。たぶんスキルも増えてるはず。ステータス!」
【募前】 五縺ォ繧治
【繧ュ繝】 魅0
【職業】 デザ」縺ー
【レベル】疲ォ
【窮命力】暦シ1撰ウ
【魔艦】 0
【筋匿】撰シ呻シ
【碁ケ濱力】榛シ鍍ォ曇シ
【禽敏力】螺ウ0
【スキル】
○エクストラスキル
愛の主導者Lv2
→最愛への贈り物
→敬愛のお返し
○通常スキル
共通言語
自動翻訳
状況把握
テイム
【テイムモンスター】
オクトン LV40(ボミットオクトパス)
「スキルが増えてる。しかもオクトンをテイムしたことになってる」
僕は『愛の主導者』の新しいスキルをタップした。
○愛の主導者Lv2
→敬愛のお返し
自分を敬愛してくれている人物にスキルを与える。(対象者10名)
「対象者が10名ってことはみんなか。夕食の時にでも確認するか」
キューキュー!
「オクトンが僕のテイムモンスターか。なんかうれしいな」
キューキュー!
僕はみんなの作業が終わるのを待った。




